茨城の鹿嶋に行ってきました(2016GW・その3)

三日目は、千葉の香取市に向かいました。

父親の車に乗り、初日と同じ潮来のスーパーの駐車場で降りました。

北利根川に架かる潮来大橋を越えると、千葉県の香取市に入ります。

祖父が亡くなったとき、この近くの斎場で葬儀が行われ、夜に家族でこの橋から花火を見たことがありました。

潮来大橋
潮来大橋

当日は晴れていましたが、風の強い日でした。

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さて、僕は佐原の「十二橋」を描こうと予定を立てていました。

佐原には、手こぎの舟で小さな十二個の橋をくぐる、「加藤洲十二橋めぐり」と呼ばれる観光スポットがあるのです。

以前に、一度だけ両親と一緒に乗ったことがありました。

橋には「思案橋」「黄門橋」など、それぞれ名前が付けられています。
独特の風情があり、ぜひ絵を描いてみたいと思ったのです。

ただ、詳しい場所は事前に調べてもよくわからなかったので、とりあえず案内板が出ている方に向かいました。

この辺りの利根川流域は、水田の多い農村地帯です。

植えられているのは早稲(わせ)と呼ばれる、田植えと収穫の時期が早い品種です。

僕の地元の横浜では、五月の中旬から下旬にかけて田植えをするのが一般的ですが、こちらでは既にゴールデンウィークまでに田植えが終わっていました。

水田とハルジオン
水田とハルジオン
水道
水道
まっすぐな道
まっすぐな道

僕はそんな田園地帯を歩きました。
しかし、案内板の方に行っても、十二橋の場所がわかりません。

小さな川の近くで、現地のおじさんが田んぼの様子を眺めていたので、聞いてみることにします。

「すみません、十二橋に行きたいんですけど…」

「十二橋?それなら、舟で行かないと見られないよ。
 一応、この川沿いにずっと行けば、橋の近くまでは出られるけど」

う~ん、なんということでしょう。
仕方なく、十二橋をあきらめて別の場所を探すことにします。

しかし、さんざん歩き回っても、「これは!」という場所は見つかりませんでした。

今日は風が強いため、風よけになるような場所で描きたかったのです。

いつの間にか、元の潮来大橋の近くに戻ってしまいました。

しかし、ここで何気なく橋の下に行ってみると、意外と良い場所でした。
ここなら川の堤防がちょうどいい風よけになり、橋桁が強い日差しも遮ってくれます。

なおかつ、近くにコンビニもあって言うことなしです。
橋の上を通る車の音が少しうるさかったですが、気になるほどではありません。

気になったのは、堤防の平らな箇所(小段というそうです)と、橋桁との間隔が狭かったことです。

僕がそこに立つと、ぎりぎり頭が着くか着かないかというほどでした。

立って移動することはできましたが、橋桁には出っ張っている部分があり、一度、そこで頭を強く打ってしまいました…。

こんな場所です
こんな場所です

それでも、僕は小段にイーゼルを立て、午前10時頃にスケッチを始めました。

描いた場所
描いた場所
狭いところにイーゼルを立てる
狭いところにイーゼルを立てる

ここは観光地ではなく、周りには人がほとんどいないため、一人で黙々と描きました。

今日も昨日と同じように、少し強めの色を乗せていきます。
できるだけ自由に、筆の赴くままに描くことを意識しました。

川の岸辺は草地になっており、アシ(ヨシ)などの背の高い植物が生えています。
そこで釣りをする人も見かけました。

また、ときどき川を小型の舟が通っていきました。

川の向こう岸にはホテルや住宅が立ち並び、その奥の海側は工場地帯で、鉄塔や煙突が並んでいます。

遠くには川に架かる鹿島線の鉄橋が見えました。
たまに四両の電車がその上を走っていきます。

途中経過
途中経過

僕はそんな場面を描いていたのですが、コンビニで買った昼ご飯を食べたあとは、猛烈に眠くなってしまいました。

三日連続で描いていたので、やっぱり疲れていたのかもしれません。

僕はビニールシートの上に寝転び、昼寝をすることにしました。
30分くらい寝ると、少し頭がすっきりしました。

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スケッチを再開し、午後4時前に完成しました。

完成したスケッチ
完成したスケッチ
スケッチと風景
スケッチと風景

川の水面が良く描けたような気がします。
のどかで広々とした感じが出せたのではないでしょうか。

空や雲は風の流れを表現したかったけれど…どうでしょう。
少し説明的になってしまったかも。

絵の右側の斜めになっている堤防は、迷いながら描いたため、いまいちな出来でした。

4時半頃に、父親が近くのスーパーまで車で迎えに来てくれたので、それに乗って鹿島の家に戻りました。

ちなみに、今日も夕食を父親が作ってくれました。
メニューはあじフライです。

三日間、本当にありがとう!

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次の日に、高速バスとJRで自宅に帰りました。
鹿島の旅行のレポートは以上です~。

Keisuke

茨城の鹿嶋に行ってきました(2016GW・その2)

二日目は、鹿島神宮に行きました。

ここには去年の夏にも行きましたが(そのときの記事はこちら)、いろいろ描きたい場所がまだ残っていたため、もう一度行くことにしたのです。

天気予報では、午前中は晴れるものの、午後から曇りで夕方から小雨が降るとのこと。

なるべく早く描き始めて、早めに終わろうと思いました。

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鹿島臨海鉄道を利用して、鹿島神宮駅へと向かいます。

学生たちがたくさん乗り込む中(この日は平日でした)、僕も一緒に乗り込みました。

駅からレンガ造りの坂を上って、鹿島神宮へと向かいます。
その途中には、鹿島が出身地である塚原卜伝の銅像がありました。

しばらく歩くと、鹿島神宮の大鳥居が見えてきました。
(神宮の説明は、前回書いたのでパスします)

鹿島神宮の大鳥居
鹿島神宮の大鳥居
楼門
楼門

拝殿に「今日、いい絵が描けますように」とお参りをします。

拝殿
拝殿

一通り境内をぐるりと回ってから、また元の場所に戻ってきました。

境内で飼われている鹿
境内で飼われている鹿
御手洗池(みたらしのいけ)
御手洗池(みたらしのいけ)

今回描こうと思ったのは、境内の参道です。

ここには、樹齢何百年という巨大な杉の木が並んでいます。
およそ一週間前には、ここを使って流鏑馬が行われたのだとか。

参道は丁寧に職員によって掃除され、あまり落ち葉がありません。

僕は通行人の邪魔にならないように、参道の端に座りました。
ここからだと、赤い楼門が少しだけ見えます。

そこにスケッチ用具を広げ、朝の9時頃から描き始めました。

描いた場所
描いた場所

昨日描いたスケッチの色が弱かったため、今日は水彩の透明感を生かすのではなく、白い絵の具を混ぜて強い色をガンガン上から乗せてみました。

普段使わないような、黒に近い「セピア」という色も使っています。

明度差を作るため、あえて何も描かない余白の部分も残しました。

途中経過
途中経過

でも、実際に描いてみると難しかったです。

「下手をすると、作品が完成ではなくまだ途中に見えてしまうかも…」と思って、なかなか大胆に余白を残すことができません。

(セツでは、余白の残し方が本当に上手な生徒がいるのですよ…)

鹿島神宮は昨日以上に観光客が多かったため、必然的に僕の描いているところを見られてしまいます。

彼らは僕の絵を見て、「綺麗な色だね!」とか「下描きはしないんですか?」とか、口々に感想を言ってくれました。

僕は気恥ずかしかったのですが、別にそれほど気になりません。

ただ、絵だけじろじろ見て、無言で立ち去られるのにはどうにも慣れません。
僕はなるべく描くことに集中しようと思いました。

描き始めた頃は晴れていましたが、天気予報通り、午後から曇って薄暗くなってきました。

さらに気温も下がり、じっとしていると寒いほどです。
僕はリュックから上着を取り出して羽織りました。

雨が降るといけないので、なるべく早く描き終えようとします。
決して、焦ってはいけませんが。

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午後2時半頃に、一通り画面全体を塗ることができました。

まだ粗い部分はありますが、とりあえずこれで完成ということにしておきます。

完成したスケッチ
完成したスケッチ

鹿島神宮駅まで歩き、午後3時20分発の電車に乗ります。

鹿島神宮駅
鹿島神宮駅

最寄り駅から鹿島の家までの帰り道に小雨が降ったので、折りたたみ傘を広げて歩きました。

夕食は、昨日に引き続き父親が作ってくれました。

豚のしゃぶしゃぶとサヤエンドウの卵とじ。
おいしかったです。

三日目に続く!

Keisuke

茨城の鹿嶋に行ってきました(2016GW・その1)

少し前になりますが、ゴールデンウィーク中に茨城の鹿嶋に行ってきました。

ここには父親が住んでおり、その近辺でスケッチができないかと考えていたのです。

鹿嶋でスケッチするのは、去年の夏に引き続き、これが二回目です。
(前回の記事はこちらです)

今回は、まだ訪れたことのない場所に行ってみようと思いました。

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当日は朝早くに父親の車で出発し、朝9時頃に潮来(いたこ)市に着きました。

今日はこの辺りで描こうと思っていたのです。

スーパーの駐車場で降り、潮来駅の方へと向かいます。
常陸利根川には屋形船がつながれていました。

屋形船
屋形船

潮来は四方を水に囲まれた水郷地帯で、昔から水運が発達していました。

サッパ舟と呼ばれる手こぎ舟を、交通の足として使っていたという歴史があります。

現在でも観光の一つとして、舟めぐりの文化が残されています。

「ちょっと君、舟に乗らない?普段なら5千円のところ、3千円でいいからさ」

客引きのおじさんはそう言っていましたが、僕には絵を描くという目的があるため、乗っている時間はありません(高いしね…)。

駅の近くまで来ると、そこには「水郷潮来あやめ園」がありました。

ここは5月下旬から6月にかけて行われる、「水郷潮来あやめまつり」の会場になっています。

水郷潮来あやめ園
水郷潮来あやめ園

ここには舟着き場があり、伝統的な服を着た船頭さんが待機していました。

舟着き場は、昔ながらの瓦屋根の木の建物でした。

舟着き場
舟着き場
建物の中
建物の中

軒下に吊された風鈴の音がとても涼やかです。

風鈴
風鈴

その近くは、笠をかぶった股旅姿の橋幸夫の銅像が置かれ、スイッチを押すと「潮来笠」などの曲が流れるようになっていました。

橋幸夫の銅像
橋幸夫の銅像

舟着き場の手前は広いあやめ園になっていますが、今は緑の草が一面に生えているだけで、まだ花は咲いていません。

その上にはあやめ園をまたぐように、大きなアーチの橋が架かっています。

この橋の上からは、あやめ園を一望することができます。

橋の上からの眺め

船着き場の奥は、藤棚になっています。
ちょうど綺麗な紫色の花が咲いていました。

藤棚
藤棚

僕は舟着き場とアーチの橋、アヤメが見える場所で描こうと決めて、折りたたみ椅子に腰を下ろしスケッチ用具を広げました。

その場所は木陰になっていましたが、当日は日差しが強かったため、つばの広い帽子と日焼け止めが役立ちました。

しかし、実際に描き始めると、思ったよりも難航してしまいました。

舟着き場の瓦屋根やアーチの橋は、描くのがとても難しかったからです。

どうにか一枚の絵として破綻しないように…と思いながら、少し慎重になって描いていました。

途中経過
途中経過

周囲は、日本人・外国人を問わず、観光客が多かったです。

いつの間にか、僕の周りには中国人観光客が集まり何か話していましたが、僕には全く理解できませんでした。

お昼過ぎに、小さな女の子が寄ってきました。

「うまいねー!めっちゃ色が綺麗じゃん!」とのこと。
ありがとー。

描いていると、ゆっくりとした足取りで、巨大なタニシを入れたバケツを持ったおばあさんが、こちらに向かって歩いてきました。

(今思うと、どうしてそんなものを持っていたんだろう?)

おばあさんは僕の荷物を気にせずに進み、あやうく僕の絵の具を踏みそうになったので、慌てて足をつかんで制止します。

危ない危ない…でも、そんなことをしてごめんなさい。

おばあさんはベンチに座って一休みすると、またどこかに行ってしまいました。

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午後4時半前に、スケッチは完成しました。

完成したスケッチ
完成したスケッチ

一応、それなりに破綻のない絵になってよかったです。

ただし離れて見ると、ちょっと色が薄かったかもしれません。
もう少し濃い色を乗せて、インパクトのある絵にしたほうがよかったかも…。

帰り支度をしていると、ボランティアの老人の男性が話しかけてくれました。

「あやめ園に植えられているのは、実はほとんどアヤメではなく、カキツバタなんですよ」

ううむ、そうだったのか…。
てっきり、僕はこれが全てアヤメだと思っていました。

でも、後でネットで調べてみると、これはカキツバタではなく、ハナショウブなのだとか。

アヤメ?カキツバタ?ハナショウブ?う~ん、ややこしい。

でも、ハナショウブのことをアヤメともいうそうなので、厳密には間違いではないとのこと。

(一応、 こちらが花の見分け方です)

あやめ園の一角には、ぽつぽつとアヤメ(こちらは本物)の花も咲いていました。

黄色い花と紫色の花の二種類がありました。
どうせなら、こちらも大々的に植えてアピールすればいいのにな~。

アヤメの花
アヤメの花

帰りは近くのスーパーの駐車場まで、父親が車で迎えに来てくれました。

さらに、父親は夕食も作ってくれました。

いつの間にか、とても料理が上達していてびっくりです。
メニューは豆乳カレーとアボカドのサラダでした。

というわけで、二日目に続きます~。

Keisuke

江ノ島でスケッチしてきました

少し前になりますが、江ノ島サムエル・コッキング苑にスケッチに行ってきました。

ちょうど、湘南が舞台の小説「青の炎」(貴志祐介・作)を読んでいるときで、ふと、なんだか江ノ島の海が描きたいなと思ったのです。

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さて、当日は大船駅からモノレールで湘南江ノ島駅へと向かいます。

湘南モノレール
湘南モノレール

高いところをジェットコースターのようにビュンビュン飛ばすため、僕は江ノ電よりもこちらのほうが好きなのです。

そういえば、幼稚園の地引き網漁のときにも、このモノレールに乗ったなぁ…と思い出しました。

20分ほどで湘南江ノ島駅に到着し、橋を渡って江ノ島へ。

江ノ島へと続く橋
江ノ島へと続く橋

この日はゴールデンウィーク中で、かつ晴天だったため、予想以上の人出でした。
(中国、韓国から来た観光客もちらほら見かけました)

こんなに人が多くて描けるのだろうか…と、僕は少し心配になりました。

スケッチする場所は決めていなかったので、とりあえず青銅の鳥居をくぐって展望台の方面に向かいました。

店で売られている「生しらす丼」や「たこせんべい」がおいしそうだなぁ…という誘惑に駆られながらも、参道を抜けます。

そこからは、展望台までかなりの登りです。

スケッチ用具を入れた大きなリュックを担いで、えっちらおっちらと坂や階段を登ります。

途中には「エスカー」と呼ばれるエスカレーターがあるのですが、そんなものは使いません!

エスカー乗り場
エスカー乗り場

ようやくのことで、展望台の近くに到着しました。

ここには、明治時代に貿易商のサムエル・コッキングが築いた庭園があります。

今はリニューアルされて、訪れる人の目を四季の花が楽しませてくれます。

僕は当初、江ノ島の海を描くつもりでしたが、ここでもいいかなと思って入場料を払い庭園に入りました。

入り口を入ると広場になっていて、いくつもの花壇や花のタワーが置かれ、パンジーやビオラ、マリーゴールドなどの花が咲いていました。

花壇
花壇

また、バラの木も植えられていましたが、まだ時期は少し早かったようで、ほとんど開花していませんでした。

バラの木
バラの木

ここも観光客が多く、なかなか座って荷物を広げられる場所が見当たりませんでした。

それでも、しばらくうろうろしていると、喫煙所の近くに広いスペースを見つけました。

ここは業者の車が出入りするため、邪魔にならない場所に腰を下ろします。

この場所を選んだというより、ここしかなかったという感じですね。

座った場所
座った場所

ここからは植え込みやシュロの木が見え、その奥には巨大で未知の生物を思わせるような、アオノリュウゼツランの木が植えられていました。

アオノリュウゼツラン
アオノリュウゼツラン

その奥には、座った場所からは見えませんが、2003年に新たに建てられたロウソクのような展望台があります。

(時間の都合で、今回僕は上りませんでした)

展望台
展望台

僕はここにイーゼルを立て、スケッチ用具を広げ、午前11時頃から描き始めました。

庭園の来場者は観光客やカップルが中心でした。

彼らはおしゃべりをしながら足早に通り過ぎ、展望台に上り、すぐにどこかの場所に移動してしまいます。

なぜ、あんなにすぐに行ってしまうんだろう?
ああ、そうか。間が持たないんだ。

だから彼らは観光スポットを回り、おいしいものを食べて、おしゃべりをしているんだ。

僕はそう気付きました。

それに比べて、僕はいい景色を見たら5時間も6時間もその場で描いていられます。

言い方は悪いかもしれませんが、まるで味わい尽くすように。
なんて贅沢なんだろう、と思いました。

江ノ島は観光地なので、それだけ僕は周りの人から見られてしまいます。

ときどき「あ、絵を描いている人がいる」などと噂をされますが、そんなにひどいことを言う人はいないし、気にしないことにします。

展望台の根元には郷土資料館があり、この日は「湘南アート・エキシビション」と題して、地元のアーティストの絵画や立体作品が展示されているとのこと。

途中で気分転換に見に行きました。

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そんなことをしながら、午後5時頃にスケッチは完成しました。

完成したスケッチ
完成したスケッチ

最後に、ぐるっと園内を回ります。

ついでに、レンガ作りの温室遺構で「デス・クリムゾン」ごっこをしました。

温室の遺構
温室の遺構

「なんだこの階段はぁ!?」
「せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!」

(わからない人はググってね)

ともあれ、無事に描けて良かったです~。

船

Keisuke

セツハル&ライブペイント!(その2)

これも今更になってしまいますが、以前にセツで行われた展覧会「セツハル」の続きの話をします。

期間中はライブペイントが行われ、グループで行う日と個人で行う日とがあります。

僕がもともと参加する予定だったのは、グループで行う日だけでした。

しかし、実際にやってみると「すごく楽しい!」と感じて、個人でも描きたくなってきたのです。

そのため、当初の予定にはなかったのですが、個人でも参加することにしました。

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グループでライブペイントを行った次の日のこと。

セツハルの開催時間に合わせて、午前11時頃にセツの中庭を訪れました。

僕はこの日、中庭の風景を描こうと思っていたのです。

とはいえ、来場した一般の人も中庭で休憩し、おしゃべりをしています。
なるべく他の人の邪魔にならない場所で、なおかつ良い構図を探すのは難しかったです。

結局、中庭への出口が見える場所で描くことにしました。

ここなら他人の邪魔にならないし、バラの木のアーチをうまく絵に収めることができるからです。

バラの手前には白いプラスチックのテーブルが置かれ、鉢の上にはピンクのチューリップが咲いています。

描いた場所
描いた場所

僕はいつも風景写生をするときのように、イーゼルを立て、画板に紙をクリップで止め、折りたたみ椅子に座って描き始めました。

ライブペイントというと、音楽をドンチキドンチキかけながら、多人数かつ短時間で作品を仕上げる、というのが一般的かもしれません。

僕のやっていることは、普段と変わらない風景写生のようです。

でも、描いているところを見せるという意味では、ライブペイントに違いありません。

ただ、見せると言っても、後ろに回り込まないと見えない位置で描いていました。

一応、「ライブペイント中 話しかけても大丈夫です」とノートに書き、切り株に置いておいたのですが…。
果たして、効果があったかどうかわかりませんね。

しばらくすると、DさんとYさんが中庭に現れました。
彼らも今日は個人でライブペイントを行う予定だそうです。

描いているときに、僕に話しかけてくれる人は少なかったのですが、セツの同級生だったTさんが、僕の絵を褒めてくれました。

「アトリエに飾ってある『光』の絵はいいね!
 抽象的で、今までにない新しい感じがする」

彼女は切り株の上のノートを見ると、こんなことを言っていました。

「こんなこと書いちゃダメだよ!
 私みたいに、用もないのにずっと話しかける人もいるもん」

まあ、あまり気にしないことにします。

セツの校舎は白い外壁でしたが、なんだか寂しいのでクリーム色にしました。
少しは暖かみが出せたかな。

少し日が傾いた午後4時半頃に、絵は完成しました。
はー、疲れた…でも、満足です。

描いた作品
描いた作品

Yさんは早々とライブペイントを終え、どこかに行ってしまっていました。

Dさんは僕と同じ頃に終わったので、完成した絵をアトリエの黒板に並べて貼ることにしました。

完成した作品
完成した作品

うーん、彼の作品は凄いなあ…。
独自の世界観があって、僕ではとても真似できません。

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最終日は搬出も兼ねて、午後からセツに行きました。

今までばたばたしていたので、この日はじっくりと他の人の作品や作品ファイルを見ることにしました。

コミックエッセイを描いている人の作品ファイルが、特に印象に残っています。

会場の様子
会場の様子

また、意外と僕の作品ファイルの評判が良かったです。

「木庭さん(僕のこと)の作品ファイル、やばいっすね。特に風景画は」

二十歳やそこらの生徒たちは、そう言っていました。

何がやばいのかと思ったら、「いい意味で」ということなのですね。
う~ん、微妙なジェネレーションギャップ。

僕は時間が合わず会えませんでしたが、この日は両親も来てくれました。
特に、父親は僕の今回の作品を気に入ってくれたようです。

僕の作品「光」
僕の作品「光」

また、ある大ベテランの生徒も、僕の作品(と、作品ファイル)を気に入ってくれました。

「君のが一番良かったよ。きっとプロになれる」

あ…ありがとうございます。

最後に、作品の搬出と校舎の片付けをしました。
大勢で作業をしたので、あっという間に元通りです。

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それと、僕の作品の感想を書いてくれた方々、本当にありがとうございました!

とても励みになります!
大事に読ませて頂いています。

Keisuke