十月の下旬に、地元の自然公園で二点の絵を描いてきました。
公園内も、すっかり秋の装いです。
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一点目は、公園内にある池で描きました。
この池にはカワセミを始め、いろいろな鳥が現れる撮影スポットです。
自ずと一眼レフと三脚を持ったカメラマンたちも集まります。
僕は彼らの邪魔にならない場所で(もしかしたら邪魔だったかもしれませんが…)荷物を広げてイーゼルを立て、11時頃から描き始めました。
カワセミに会えることを、少しだけ期待しながら。
まだ紅葉の時期としては早かったのですが、それでも秋になると木々の色が違って見えてきます。
以前は、点描を使った細かいタッチで描いていたのですが、最近はあまりそういう描き方はしていません。
どちらかというと、厚塗りのタッチに近いです。
筆の運びはわりかし適当なのに、離れてみるとそれらしく見えるような描き方を目指しています。
目標はモネを始めとした印象派のタッチですね。
描いていると、池の中の木に小さな一羽の青い鳥がやってきて、高い声でさえずり始めました。
あっ…カワセミだ!
多分、本物を見たのはこれが初めてです。
思ったよりも小さく、肉眼ではなかなか確認できないほどでした。
僕の近くにいたカメラマンたちもにわかに色めき立って、その姿をカメラに収めていました。
せっかくなので、絵の中にカワセミの姿を描き入れました。
午後4時を過ぎると、日が陰って寒くなってきたので、これで完成ということにしました。
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二点目は、別の日に公園内にある古民家の近くで描きました。
軒下には、赤い唐辛子が乾燥のため干されていました。
僕はこれを描こうと思って、入り口にイーゼルを立てました。
すると、作業をしていたボランティアの人に注意されました。
「そこだと入る人の邪魔にならないですか?」
ただ、僕はどうしてもここで描きたかったのです。
そこで、青い作業着を着た若い女性の職員さんに尋ねてみると、OKを出してくれたので、僕は10時半頃から描き始めました。
でも、この日はあまり集中が続きませんでした。
天気が曇りで、寒かったせいでもありますね。
描いていると、いつの間にか大きな緑の昆虫が、古民家の柱に止まっていました。
これはキリギリス?それともウマオイでしょうか。
(あとで調べたら、これはキリギリスのようですが、その中にもいろいろな種類がいるようで、難しかったです…)
さっきの女性の職員さんは、気持ち悪くて触れない様子でした。
「こういう虫、無理なんですよ。飛ぶんじゃないかと思って」
さて、この古民家には、伝統的な遊び道具がいくつも置かれています。
竹とんぼ、竹ぽっくり、将棋盤、お手玉、メンコなど…。
僕は何気なく竹とんぼを手に取ると、練習を始めました。
最初はうまく飛ばせなかったのですが、だんだんコツをつかんでくると空高く飛ばせるようになりました。
左回りだと飛びますが、右回りだと全く飛びませんね。
そんなことをしながら描き進め、午後4時前にとりあえず完成しました。
赤い唐辛子をもっと目立たせたかったのですが、思ったよりも背景に溶け込んでしまって、狙ったような鮮やかさは出せませんでした。
また、もっと対象物を画面に大きく入れてもよかったと思います。
やっぱり、こういう深みのある絵を、透明水彩と白のガッシュで描くのは難しいのかな…。
この日は絵を描くよりも、竹とんぼを飛ばした方が楽しかったです(笑)
Keisuke