これも今更になってしまいますが、以前にセツで行われた展覧会「セツハル」の続きの話をします。
期間中はライブペイントが行われ、グループで行う日と個人で行う日とがあります。
僕がもともと参加する予定だったのは、グループで行う日だけでした。
しかし、実際にやってみると「すごく楽しい!」と感じて、個人でも描きたくなってきたのです。
そのため、当初の予定にはなかったのですが、個人でも参加することにしました。
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グループでライブペイントを行った次の日のこと。
セツハルの開催時間に合わせて、午前11時頃にセツの中庭を訪れました。
僕はこの日、中庭の風景を描こうと思っていたのです。
とはいえ、来場した一般の人も中庭で休憩し、おしゃべりをしています。
なるべく他の人の邪魔にならない場所で、なおかつ良い構図を探すのは難しかったです。
結局、中庭への出口が見える場所で描くことにしました。
ここなら他人の邪魔にならないし、バラの木のアーチをうまく絵に収めることができるからです。
バラの手前には白いプラスチックのテーブルが置かれ、鉢の上にはピンクのチューリップが咲いています。
僕はいつも風景写生をするときのように、イーゼルを立て、画板に紙をクリップで止め、折りたたみ椅子に座って描き始めました。
ライブペイントというと、音楽をドンチキドンチキかけながら、多人数かつ短時間で作品を仕上げる、というのが一般的かもしれません。
僕のやっていることは、普段と変わらない風景写生のようです。
でも、描いているところを見せるという意味では、ライブペイントに違いありません。
ただ、見せると言っても、後ろに回り込まないと見えない位置で描いていました。
一応、「ライブペイント中 話しかけても大丈夫です」とノートに書き、切り株に置いておいたのですが…。
果たして、効果があったかどうかわかりませんね。
しばらくすると、DさんとYさんが中庭に現れました。
彼らも今日は個人でライブペイントを行う予定だそうです。
描いているときに、僕に話しかけてくれる人は少なかったのですが、セツの同級生だったTさんが、僕の絵を褒めてくれました。
「アトリエに飾ってある『光』の絵はいいね!
抽象的で、今までにない新しい感じがする」
彼女は切り株の上のノートを見ると、こんなことを言っていました。
「こんなこと書いちゃダメだよ!
私みたいに、用もないのにずっと話しかける人もいるもん」
まあ、あまり気にしないことにします。
セツの校舎は白い外壁でしたが、なんだか寂しいのでクリーム色にしました。
少しは暖かみが出せたかな。
少し日が傾いた午後4時半頃に、絵は完成しました。
はー、疲れた…でも、満足です。
Yさんは早々とライブペイントを終え、どこかに行ってしまっていました。
Dさんは僕と同じ頃に終わったので、完成した絵をアトリエの黒板に並べて貼ることにしました。
うーん、彼の作品は凄いなあ…。
独自の世界観があって、僕ではとても真似できません。
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最終日は搬出も兼ねて、午後からセツに行きました。
今までばたばたしていたので、この日はじっくりと他の人の作品や作品ファイルを見ることにしました。
コミックエッセイを描いている人の作品ファイルが、特に印象に残っています。
また、意外と僕の作品ファイルの評判が良かったです。
「木庭さん(僕のこと)の作品ファイル、やばいっすね。特に風景画は」
二十歳やそこらの生徒たちは、そう言っていました。
何がやばいのかと思ったら、「いい意味で」ということなのですね。
う~ん、微妙なジェネレーションギャップ。
僕は時間が合わず会えませんでしたが、この日は両親も来てくれました。
特に、父親は僕の今回の作品を気に入ってくれたようです。
また、ある大ベテランの生徒も、僕の作品(と、作品ファイル)を気に入ってくれました。
「君のが一番良かったよ。きっとプロになれる」
あ…ありがとうございます。
最後に、作品の搬出と校舎の片付けをしました。
大勢で作業をしたので、あっという間に元通りです。
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それと、僕の作品の感想を書いてくれた方々、本当にありがとうございました!
とても励みになります!
大事に読ませて頂いています。
Keisuke