セツでは、毎年6月の中旬に一週間ほど風景写生会が開かれます。
(去年の記事はこちらです)
この期間は校舎を飛び出し、外に出て絵を描くというもので、後日アトリエで描いた絵の合評会が行われます。
一応、先生からお勧めの場所を指定されますが、別に描くのはどこでも構いません。
今回、お勧めの場所として指定されたのは、横浜の金沢漁港と野島公園、そして海の公園です。
生徒の中では、千葉の大原漁港に行こうと考えている人もいました。
ここは長沢節先生が特に好んだ場所で、よく絵を描いていたと聞きます。
先生が自転車に乗っているときに転倒し、亡くなったのもこの場所です。
ですが、僕は横浜に住んでいて、そこまで行く気が起きませんでした。
おとなしく、横浜近辺で描くことにします。
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風景写生会の一日目は、金沢漁港で描くことにしました。
今回、学校が漁港側に対して特別に許可を取っていましたが、普段は一般人が立ち入り禁止の場所です。
そのため、こういう機会でないとなかなか描けません。
新杉田駅からシーサイドラインに乗ります。
この電車に乗ったのは、小学生の遠足以来でしょうか。
昔よりも、ずいぶん駅が綺麗になりましたね~。
下のキャラクターは、シーサイドラインのマスコットで、「キラキラ☆シーたん」というそうです。
野島公園駅で降り、漁港へと向かいます。
駅から漁港までの道に沿って、タチアオイの花が綺麗に咲いていました。
午前9時半頃に金沢漁港に着きました。
思っていたよりも小さな港です。
そこでは数名の早起きのセツの生徒たちが、すでに描き始めていました。
しかし、僕の感想は「なんかいまいち…」でした。
なぜなら、ごちゃごちゃとした人工物ばかりだからです。
しばらくうろうろしましたが、ここぞという場所が決められません。
結局、ここで描くのをあきらめ、近くの野島公園に向かいました。
野島公園は「野島」という島にある公園です。
海抜57メートルの野島山を中心に、展望台、バーベキュー場、キャンプ場、野球場などの施設があります。
また、2009年には伊藤博文の別邸が創建時の姿に復元されました。
別邸の裏手にある入り口の木の門をくぐると、奥にはボタン園がありました。
ボタンはこれからなのか、もう終わっているのかわかりませんが、花は咲いていませんでした。
ここは自然が多く、別邸の木の門と茅葺き屋根がいい感じです。
僕はここで描くことにして、イーゼルを立ててスケッチ用具を広げました。
時刻は午前11時頃です。
いつものように、点描でちまちまと描いていきます。
海のそばなので、ときどき潮の香りが漂ってきました。
海を挟んだ向こう側には、八景島があります。
浜辺では潮干狩りをしている人たちがいました。
描き始めたときは日陰でしたが、描いているうちに日向になってしまいました。
そして、ものすごく暑い!
セツの生徒が途中で一人来ましたが、ここはあまり人気がないのか、それ以外には生徒を見かけませんでした。
途中で別邸の中を覗いてみました。
建物自体は割と普通の日本家屋でしたが、とても落ち着ける場所でした。
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そんなことをしながら描き進め、ボタン園が閉園するぎりぎりの、午後4時半頃に完成しました。
木のうっそうとした感じが出せたかな、と思います。
最後に、またシーサイドラインで帰りました~。
Keisuke