風景写生(勝手にリベンジ)

先日、また風景写生に行ってきました。

セツでの風景写生会は、当然ながらとっくに終わっています。

しかし、僕にとって期間内に一枚しか描かなかったのが悔しかったのです。
そのため、リベンジとしてもう一枚描くことにしました。

向かった先は、以前にも記事にしたことのある、近所の自然公園や神社などがある場所の近くです。
(最近はこの周辺ばかりで描いているような…)

訪れた場所
訪れた場所

この場所には、少し前に散歩したときに訪れたことがあります。

ここは水田がある田舎の雰囲気と、家やマンションなどがある都会の雰囲気が、ちょうどいいバランスです。
そのため、いつかこの場所で描こうと思っていました。

当日は晴れて暑くなるとの予報だったので、朝早くに出かけ、8:00からスタートすることにしました。

描きはじめた頃は、座っていたところは日陰でした。
ですが、だんだんと日が移動して、しばらくすると日向になってしまいました。

そのおかげで、描いているときは暑かったです。
(ただ、雨に降られる心配は無かったのですが)

今回は、まず大まかな部分を塗ってから、細部を仕上げるような順序で絵を描きました。

この描き方だと、全体を意識しながら描くことができます。
ただし絵の具を塗り重ねると、どうしても色の鮮やかさが落ちてしまうので、難しいところですね…。

また、自然の多い場所で描いたので虫が多かったです。
蚊はまだ発生していなかったのですが、地面にはアリが這い回っており、たまに僕の体の中に入ってきたので、くすぐったかったです。

6時間ほどかけて、14:00頃に完成しました。

個人的には、前回に描いた火力発電所の絵よりも気に入っています。
これで少しは悔しさが解消されたかもしれません。

完成した絵
完成した絵

最近はペンで緻密に描くよりも、この描き方のほうが気に入っています。

なぜなら、こちらのほうが伸び伸びと描くことができる気がするからです。
ただ、納得のいく作品を仕上げるには、まだ枚数を描かなくてはいけないかもしれません。

後日にセツの助手の人に見せると、おおむね好評だったものの、「まだ見たとおりに描いているので、もっと崩してもいいよ」と提案されました。
例えば、マンションの角度などを変えてしまってもいいそうです。

でも、崩すことによってその絵がより良くなるのかどうか、僕の中で見当が付かないのですよね…。
どうしたものでしょうか。

Keisuke

風景写生会!

先日、セツでは風景写生会が行われました。

これは、「外に出て絵を描こう!」という試みで、その際は通常の授業がお休みになります。
期間中(6/12~6/16)であれば何枚描いても構いません。

また、期間中には助手と生徒たちが一ヶ所に集まって描く機会が設けられました。

集合場所は僕の地元である横浜で、山下公園や港の見える丘公園で描くことになっていました(もちろん、写生する場所に制約はなく、家の近所や室内でも構いません)。

紙はこの前の人物水彩と同じく、四六判半切(545mm×788mm)サイズです。

これはかなりサイズが大きいので、普段僕がスケッチブックに描くのとは異なり、折りたたみ式のイーゼル(絵を立てかけるもの)や、大きな画板などが必要になります。
一応、この日のためにそれらのスケッチ用具を用意しておきました。

しかし、僕はこの前の人物水彩の一件もあり、なかなか絵を描くモチベーションが上がりませんでした。

絵を描いたとしても、どうせたいした作品にならないだろう。

そういうネガティブな感情が頭を渦巻いており、どうしても一歩外に踏み出す気になれなかったのです。

そんなわけで、せっかく助手が用意してくれた横浜のツアーにも参加せずに、ずっと自宅に引きこもり一枚も絵を描いていませんでした。

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そして迎えた最終日。

「ここで描かなくては、自分はだめになる!」と言い聞かせて、無理にでも外に出て描くことにしました。

スケッチ用具をスペインの巡礼に行ったときに使った40リットルの大型のリュックにつめ、えいやっと重い腰を上げ出発しました。

天気は曇りで、今にも雨が降りそうでした。
しかも、途中で道を間違えて大幅に時間をロスしてしまい、ますます気持ちは暗くなっていくのでした。

ようやくのことで目的の場所に到着し、スケッチ用具を広げてスタート。
場所は「描くとしたらここしかない」と決めていた、横浜の磯子にある火力発電所の近くです。

発電所の建物は海に面しており、その対岸は波止場になっています。
あまり綺麗な海ではありませんが、魚も泳いでいるらしく、ここで釣りをしている人もいました。

僕はこの波止場から見える発電所の煙突が好きで、以前にも二回ほどここに来てスケッチしたことがありました。
(正確に言うと初めての場所ではないので、ちょっとずるかったかもしれません)

以前描いたスケッチ(ペン画)
以前描いたスケッチ(ペン画)
以前描いたスケッチ(透明水彩)
以前描いたスケッチ(透明水彩)

しかし実際に描き始めてみると、色が上手く決まりません。
ネガティブな感情になっていたせいもあってか、半ばやけくそになって、もともと灰色だった空を紫色で塗ってしまいました。

途中で「ああぁ、この色は失敗したかなぁ」と思いながらも、ここで止めるわけにはいかないので、しぶしぶ作業を続けました。

そんなこんなで、どうにか完成した絵はあまり満足のいく出来ではありませんでした。

紫の空の上から絵の具を塗りつぶすように建物を描いたため、全体的に色味がくすんで見えます。

これは僕が理想とする「人の心を和ませる絵」とは程遠く、かえって心の中がうすら寒くなるような絵になってしまいました。

今回描いたスケッチ
今回描いたスケッチ

本当はもっと透明感のある絵を描きたいのですが、「下描きなし」という制約があると、透明感を出すのは非常に難しいんですよね…。

どうしても、不透明な絵の具を重ねた厚塗りになってしまいます。

僕はがっかりした気持ちになりました。

それでも「とりあえず最低限のことはやった!これで講評会に出せる!」と自分自身を納得させ、片付けてから帰路に着きました。

心配していた雨は、途中でぱらつくことはありましたが、本格的に降ることはなくてよかったです。

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そして、翌日にセツの校内で合同講評会が行われました。

生徒たちは期間内に描いた絵を持ち込み、一室のアトリエにずらりと貼り出します。
中には一人で八枚の絵を描いた生徒もおり、自分のしょぼさが目に見えました。

並んだ絵はどれも個性的です。
助手はそんな絵に対して、一人ひとり講評をつけていきました。

僕はそれを聞きながら、「ああ、悔しい!やる気が出ないのにかこつけて、サボっていた自分が恥ずかしい!」という思いにとらわれていました。

そして迎えた僕の絵の番。
助手は僕に対して、描いた場所や時間帯などの質問をしました。

「空の紫色がいいわね。一枚しか出していないから本当はいけないけれど、Aです!」

Aというのは最高の評価です。
僕は思わず内心で「エエエェェ(゚Д゚)ェェエエエ」と唖然としてしまいました。

なぜなら、空の色がこの絵で最も良くない部分だと思っていたからです。
「実際のものとはちがう、大胆な色使い」が評価されたのでしょうか。

この前の人物水彩のときは、最も気に入っていた「顔」がダメ出しされましたが、今回は最も気に入っていない「空」が評価されたというのは、どういうことなのだろうと思いました。

そしてAの評価を受けた作品は、ロビーに貼り出されることになりました。
本当は、あまり貼り出して欲しくない絵だったのですが…。

前にも描きましたが、もちろん良い評価を得るために絵を描いているのではありません。
(でもこのことを書いている時点で、評価のことを気にしているのかも?)

それでも、こき下ろされることを覚悟していたので、それに比べればずっと嬉しいです。

目をつぶってバットを振り回したら、偶然ボールが当たってヒットになったような気分でした。

そして、ヒットを打つためには、数多くバットを振らないといけません。
偶然でもヒットになるように、もっと枚数を描かないといけないと肝に銘じました。

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この文章を書いていてふと思ったのですが、もしかしたら「大胆に描く」ということは、僕にとって必要なことなのかもしれません。

なぜなら僕が普段スケッチするように、ちまちまと緻密に描くことにはおのずと限界があるからです。
下手をするとその「枠」の中に閉じこもって、それ以上世界が広がっていかないのです。

また、細かく描こうとすればするほど、失敗を恐れるようになってしまうのかもしれません。

僕がセツを選んだ理由の一つに、「その『枠』を壊して精神的に自由になりたい」という欲求があり、ここならそれを叶えられるかもしれない、という狙いがあったのです。

もちろん、緻密に描くことも捨ててはいけません。
緻密に描けば描くほど、作品としての密度が上がるからです。

ですが、その一方で大胆に描くのも時には必要なのかな、と思いました。

写生大会の期間は過ぎてしまったのですが、またどこかに出かけて、この描き方でスケッチするかもしれません。

そのときはもっと自由に、失敗を恐れず、伸び伸びと描こうと思います。
自分自身の「枠」を壊すために。

Keisuke

自然公園に行ってきました

先日、近くの自然公園に行ってきました。

とても良い天気で、日差しが強かったです。

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ここは未だ昔ながらの自然が残されており、農作業をしている人の姿もよく見かけます。

園内の田んぼでは、ちょうど田植えが行われていました。

大人や子供たちが中に入って作業をしていましたが、そこそこ重労働のように見えますね。

田植え
田植え

それから近くの古民家に立ち寄ると、そこではたまたま作品展が開催中でした。

地元の人たちが、この公園にまつわる作品を展示しているそうです。

古民家の入り口
古民家の入り口

この公園で撮った野鳥や植物の写真のパネルや、バードカービングなどの作品が展示されていました。

植物などの写真
植物などの写真
野鳥の写真
野鳥の写真

近くでは絵を描いている人たちがいました。
絵画教室の集まりなのかもしれません。

展示の一角には植物画のイラストが飾られていました。

それらはまるで図鑑に載っているような、目を見張るような精巧さだったので、僕はそこで足を止めて見入ってしまいました。

この絵を描かれた方(高齢の女性)が近くに立っていたので、話を伺うことができました。

僕は写真を見ながら描いているのかと思いましたが、それだと立体感が出ないので、実際のものを見て描いているのだそうです。

展示されていたのは、ナズナ(ぺんぺん草)、コヒルガオスイカズラの三点のイラストでした。

僕は、スイカズラという花を知らなかったのですが、ちょうど今の時期に咲いていることを教えてもらいました。

(あとで探してみると、まさしく絵の通りの植物がありました)

スイカズラ
スイカズラ

スイカズラの葉は表面に細かい毛が生えており、それも表現しなくてはいけないそうです。

近くに寄ってみると、確かに非常に細かいタッチで毛が描かれていました。
一枚仕上げるのにどのくらい時間がかかったんだろう…。

他にも、ヒルガオとコヒルガオの違いなどを教えてくれました。

リアルな植物画を描いていると、自然に植物の知識に詳しくなるのだそうです。

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そのあとは、公園から離れて少し散歩をしました。

途中には梅の木が植えられていて、実が大きく育っていました。
そろそろ収穫時期なのかもしれません。

ちなみに、僕は以前にスーパーでアルバイトをしていました。

そういえば、六月ごろになると梅酒作りのために、ホワイトリカーや氷砂糖などを店頭に並べていたなぁ…。

僕はそんなことをふっと思い出しました。

梅の木
梅の木
梅の実
梅の実

それから、近くの神社に立ち寄ました。

この前に庚申塔をスケッチしたのと同じ神社です。

今度はまた少し場所を変えて、その周囲の風景をスケッチしました。

スケッチした場所
スケッチした場所
スケッチ
スケッチ

まだ線画が途中の段階です。

梅雨入りまでには何とか仕上げたいなぁ。

Keisuke

地元の神社でスケッチ(その2)

以前、神社で描いたスケッチの続きです。

線画だけの状態から色を塗ってみました。

と言っても、まだこれで完成ではありません。
もう少し、後ろの部分の描き込みが必要のようです。

庚申塔のスケッチ(続き)
庚申塔のスケッチ(続き)

今日も日向は暑かったですね~。

あまりの暑さに途中から日陰に避難したのですが、日焼け止めを塗っていなかったせいで、腕と首筋が真っ赤になってしまいました。

それでも、神社の鳥居のそばで描いていると、僕に声を掛けてくださる方(特に高齢の女性の方が多い)が数人いらっしゃって、とても嬉しく思いました。

絵を描き続けていたら、必ず誰か見ていてくれるんだなぁ、と思ったり。

とてもありがたいことです。

Keisuke

地元の神社でスケッチ

先日、近くの神社に行ってきました。
この辺りは自然が多くて落ち着けるので、好きな場所です。

参道の入り口
参道の入り口
石段を登る
石段を登る

階段を登って本殿へ(この登りが結構きつい…)。

神社の本殿
神社の本殿
狛犬
狛犬

近くには戦没者を祭る英霊殿がありました。

英霊殿
英霊殿
階段の上から
階段の上から

神社の入り口の近くには庚申塔があり、そこでスケッチしました。

ああっ、また趣味が渋いと言われてしまう(笑)

庚申塔とは「中国より伝来した、道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられた石塔のこと(Wikipedia)」だそうです。

それが神社に置かれているのも少し不思議な気がしますが…。

庚申塔
庚申塔

あーっ、雑草を描くのがめんどくさい(笑)

とりあえず二日間かけて線画だけ描きました。
色をつけていない絵がどんどん溜まっていくなぁ…。

庚申塔のスケッチ
庚申塔のスケッチ

観音様(で、合っているでしょうか)の足元には「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿が彫られていました。

僕はこの像は日本発祥だと思っていたのですが、なんと世界中に存在するそうです。

この辺りも由来を調べていくと、なんだか面白そうですね。

三猿
三猿

近くには石碑がありましたが、細かい字が磨り減って読めませんでした。

石碑
石碑

ここのところ、春を飛び越してあっという間に夏になったような陽気でした。

半袖になって描いていたら、腕がすっかり日焼けしてしまいました。
今でも少しひりひりとして痛いです。

Keisuke