すっかり間が開いてしまいました

すっかり間が開いてしまいました。
近況報告です。

最近は、文芸社さんが主催する「えほん大賞」に応募しようと思って、その原稿になる絵を描いています。

内容は、どちらかというとシュール系の絵本です。

読んだ人が、思わず「ニヤリ」としてしまうような絵本を目指しています。

ですが、インパクトの強いキャラクターが出てくるので、かなり好き嫌いが分かれるかもしれません。

応募要項に「未発表作品に限る」と書かれていたので、ブログ上でお見せできないのが残念ですが…。

締め切りまで、あと一ヶ月を切っています。

連休中にせっせと描くつもりだったのですが、まだ8枚しか描けていません。
表紙を含めて全部で18枚描く予定ですが、間に合うかなぁ。

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セツでは通常の授業が再開しました。

授業では、いつものように10分のデッサンと人物水彩を中心に描いています。

こちらは、先日に(もうかなり前になりますが)授業で描いた人物水彩の絵です。

今回のモデルになったのは同級生の女の子でした。
本人に許可を貰ったので、ブログに載せておきます。

腰掛ける女性
腰掛ける女性

本当はもっと美人さんなのですが、顔が上手くいかず、何度も描き直しているうちにどんどん泥沼に入っていってしまいました。

もっと、一発でさらっと決まるといいのですけどね…。

でも、足は上手く描けたかな?と思います。

最近は「いろいろな色を使う」ということをテーマにやっていますが、下手をすると散漫な印象を与えてしまうので、もう少し色を整理してもいいのかもしれません。

講評会の時には、はっとするほど綺麗な色で描く生徒さんたちがいるのですよ…。

彼らを見習いたいのですが、なかなか上手くいきません。

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それから、石膏デッサンの授業もありました。

セツではこの授業はまれにしかやらないので、ある意味貴重な時間です。

でも、石膏デッサンは描いていてあまり面白く感じられません。
なぜなら、僕はもっと自由に伸び伸びと描きたいからです。

今回は、アリアスと呼ばれる石膏像を描いてみました。

アリアスの石膏像
アリアスの石膏像

描いているうちに「頭がもっと大きいかな?」と気付いて修正していると、石膏像の頭は紙からはみ出してしまって、下部はかなり余ってしまいました。

これがぴったり入ると気持ちいいのですけどね~。

でも、先生には「石膏上手いね」と言われて嬉しかったです。

Keisuke

夏休みの作品の講評会

9月に入って長い夏休みも終わり、セツでは授業が再開されました。

再開して第一回目の授業は、夏休みの課題の講評会です。

僕はこの講評会に、夏休み中に描いた11枚の絵に、6月の風景写生会の後に描いた2枚の絵を加えて、合計で13枚の絵を出すことにしました。

これだけ多いと、どうやって持っていくかも問題になってきます。

まとめて輪ゴムで丸めて持っていくことも考えましたが、それはちょっと乱暴すぎる気がします。

結局、畳んだ大きなダンボールの隙間に挟み、ビニール袋で包んでから紐を掛けて持って行くことにしました。

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さて、夏休み中に課題として出されたノルマは、「3枚以上描くこと」でした。

それだけの枚数は十分にクリアしていました。
しかし、一体どんなことを言われるんだろうと不安になって、前日は非常に憂鬱な気分になっていました。

これだけ気合を入れて描いてきたのに、ボロクソに言われてしまったら、もう立ち直ることなんてできないわ…と思っていたのです。

(実際のところ、その可能性は低いと思っていましたが)

講評会は、風景写生会のときのように、一室のアトリエの壁を取り囲む形で生徒たちの絵を貼り出します。

描いた枚数が多かったので、早めに出かけて場所を確保するつもりでしたが、学校に到着すると既にそこには生徒のMさんという先客がいました。

僕も彼女の横で自分の絵を壁に貼ることにします。

さて、壁に絵を貼るときには一つ注意点があります。
それは「画用紙に穴を開けないようにする」ということです。

そのため、貼るときは画鋲を直接紙の上に止めるのではなく、画用紙のわずかに外側の周辺の四隅を、画鋲の頭で押さえるようにして止めます。

こうすると、画用紙に穴が開かずに済むのですが、その分、壁に深く刺さないといけないので結構な重労働です。

画鋲の止め方
画鋲の止め方

作業の途中で、一枚の壁のパネルが外れてしまうというハプニングがあり、元に戻さないといけませんでした。

終わった後は汗だくです。

しかし、こうやって13枚の僕の絵が壁にずらっと並んでいるのを見ると、なかなか壮観な光景に思えてきます。

僕の絵を全て貼り終えた頃には、生徒たちが続々とアトリエに集まってきました。

我ながらよくこれだけの枚数を描いたなぁ…。

僕はそう思っていたのですが、なんと、群を抜いて160枚描いてきた生徒がいました!
僕にはとても真似できません。

生徒たちが持ってきた数が多く、それらの絵を一度で全て貼ることはできなかったので、二回に分けて貼ることになりました。

彼らの絵はどれも非常に個性的です。
風景画や人物画、イメージで描いた絵などが並んでいました。

一通り生徒たちの絵が貼り終わり、いよいよ講評の時間になりました。

生徒たちはアトリエの中央に集まって座り、講師の話を聞きます。

僕の番になると、講師の女性はどの場所で描いた絵か僕に尋ねた後で、「色が前に比べて良くなった」ということを言ってくれました。

それから、「この中でも、特にこの二枚の絵が良いですね」と棒で指し示しました。

その二枚の絵とは、鶴見線の国道駅で描いた絵と、セツの校舎で行われた自主練習のときに描いた人物水彩の絵です。

国道駅の絵
国道駅の絵
本を読む女性
本を読む女性

講評によると、国道駅の絵はあまりスケッチするような場所ではないのに、ここでわざわざ描いたという視点が面白いそうです。

また、人物水彩の絵は、モデルの顔に独特の表情や面白さがあるのだそうです。
以前に比べて、人物画の印象もずいぶん変わったとか。

とりあえず、ひどいことを言われなかったので、僕は内心でガッツポーズをしました。

しかし同時に、その二枚の絵が選ばれたのには、正直なところびっくりしました。

なぜなら、どちらも僕の中では「いまいちだなぁ」と思っていた絵だったからです。

国道駅の絵は、天井のアーチの形が決まらずに、何度も上から絵の具を重ねていたため、透明感がなくなってしまいました。

また、人物水彩の絵は2時間で完成させなくてはいけなかったため、僕の中では満足していませんでした。

もし時間があれば、もっと丁寧に仕上げたかったのです。

講師はまず、「こっちがいい?」と国道駅の絵を選びましたが、僕が渋った顔をしていると、「じゃ、こちらの絵にします」と、人物水彩の絵に最も良いAの評価を与えてくれました。

(と言っても、セツではA以外の評価はないのですが…)

講評会の様子(画鋲の付け方を間違えた…)
講評会の様子(画鋲の付け方を間違えた…)

Aの評価を受けた絵は、いずれセツのロビーに額に入れて飾られる予定です。

僕はとても嬉しかったのですが、その反面で「どうしてこの絵が?」という、戸惑いを覚えないわけにはいきませんでした。

鹿嶋や白馬に行って、一枚を5~6時間掛けてじっくりと描いた絵もあったのに、そちらの絵については、ほとんど言及されなかったのです。

特に、香取神宮で描いた絵や、白馬の姫川源流で描いた絵は、僕の中ではかなり気に入っていたのですが…。

もっと時間を掛けずに、ぱぱっと描いてもいいのかもしれません。

でも、さっと描いて「はい次!」というのは、僕はあまり好きではありません。

せっかくいい景色が目の前にあるのだから、それと向き合ってじっくりと描きたいのです。

僕が気に入っている絵と、講師が気に入っている絵にずれがあるところが、面白いところでもあるし、悩ましいところでもあります。

これは風景写生会でも感じたことでもあるのですよね…う~ん、デジャヴ。

一応、講師の女性は講評会が終わった後に、「今回は選ばなかったけれど、風景画も良かったですよ」と言ってくれたのですが…。

とはいえ、生徒の間でも結構僕の絵の評判が良くて、嬉しかったです。
ようやく肩の荷が下りたような気分になりました。

Keisuke

長野の白馬に行ってきました(五日目)

白馬旅行の五日目です。

と言っても、この日はお土産を買って帰るだけでしたが…。

朝早く起きる必要は無かったのですが、目が覚めてしまったため、午前7時くらいにライダーハウスを出発して駅まで歩きました。

駅に到着すると、まだ予定の電車の発車時刻まで二時間半あります。
まずは駅構内のベンチに座り、コンビニで買っておいたサンドイッチを食べました。

しばらく待っていると、駅前のお土産屋のシャッターが開いたので見て回ることにしました。

二件のお土産屋が隣同士に並んでいて、どちらにも足を運んでみます。

そのうちの一軒には、白馬のゆるキャラの等身大パネルが飾られていました。

彼の名前はヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男(むらお)III世というそうです。

非常に長く立派ですね。

ゆるキャラの等身大パネル
ゆるキャラの等身大パネル

こちらが公式サイトです。
う~ん、でかい文字で凄いインパクトだ…。

彼の名前の「シュヴァルブラン」については、「ブラン」がフランス語で「白」で、「シュバルツ」がドイツ語で「黒」だから…合わせると「黒白」という意味なのだろうか、と推測しました。

でも、後で調べてみたら、「シュヴァル」はフランス語でを意味する言葉のようですね。

「ヴィクトワール・シュヴァルブラン」全体だと、勝利の白馬になるのだとか。

でも、それにしてはあまりやる気が感じられないような(笑)

そんなものを見ながら、一軒のお土産屋でクッキーとわらび餅を買いました。

会計の時に、店のおばちゃんと少し話をしました。

僕が「白馬には初めて来たけれど、とてもいい場所でした」と伝えると、おばちゃんは「紅葉の頃もいいんですよ」とのこと。

紅葉はすぐに終わってしまうので、時期を慎重に選ばないといけませんが、その色はとても鮮やかなのだそうです。

その後で別のお土産屋にも立ち寄り、そこでもクッキーを買いました。
なんだか食べ物ばかり買っているような気がします(笑)

しばらくすると大糸線の発車時刻になったので、ホームに向かいます。

大糸線の電車
大糸線の電車

到着した電車に乗って松本駅まで行き、特急あずさに乗って帰りました。

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というわけで、これにて白馬旅行の記事は終了です。

白馬は思ったよりもいいところでした。

山のほうにも(リフト代はかかるけど)行ってみたいし、まだまだ見るスポットが多いので、機会があればまた来年に訪れてみたいです。

Keisuke

長野の白馬に行ってきました(四日目・大出の吊橋)

白馬の日記の四日目です。

この日は本来なら、白馬五竜高山植物園というところに行って、スケッチをしようと思っていました。

しかし、一昨日に観光案内所の人に聞いたところによると、植物園にたどり着くにはリフトに乗らないといけないそうです。

さらに、リフト代が往復で1800円もかかってしまうとか。

並行する登山道もないので、なんとなく納得がいかない気分になり、結局行くのをやめてしまいました。

植物園ではヒマラヤの青いケシが咲いていると聞いていたので、それを一度見てみたかった思いもありますが…。

というわけで、一昨日訪れた木流川の遊歩道で描こうと計画を変更しました。

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午前6時頃にライダーハウスを出て、駅の方面に向かいます。

空はどんよりとした雲が一面を覆っていました。
まだ雨は降っていませんが、天気予報によると午後から天気が崩れるのだとか。

なるべく午前中のうちにスケッチを完成させようと思って、早足で歩きます。

でも、途中で「少しくらいなら寄り道をしてもいいかな…」と思い直しました。

観光マップでお勧めの姫川沿いに歩いてみたり、コブシが綺麗だという四十九院という場所に行ってみました。

キャンプ場の中を通る
キャンプ場の中を通る
姫川に架かる吊橋
姫川に架かる吊橋

しかし、どちらも期待したほどではありませんでした。

特に、四十九院はちゃんとしたお寺があるのかと思ったら、ただの小さな石の祠しかなかったので、少しがっかりしました。

コブシの花が咲いている春の頃に訪れたら、また違っていたかもしれませんが…。

四十九院の石の祠
四十九院の石の祠
コブシの木(多分…)
コブシの木(多分…)

その後もうろうろしていると、ウイング21という巨大な建物の近くにひょっこり出てしまいました。

この建物は長野オリンピックの頃に建てられた、まさに「ハコモノ施設」です。

ウイング21
ウイング21

ホールや体育館などの設備を備え、裏手にはクライミングウォールがありますが、果たしてこれは今でも有効活用されているのでしょうか…。

クライミングウォール
クライミングウォール

そんなことをしていると、だんだん時間が遅くなってしまいました。

おっと、こうしちゃいられません。
僕は急いで木流川の遊歩道に向かいました。

しかし、一昨日にスケッチしたいと思った場所に行ってみても、実際に目の前にしてみると、なんだかいまいちに感じられてしまいました。

小川が流れているのって、一昨日と昨日描いた絵と同じような構図だなぁ、と思ってしまったのです。

描こうと思っていた場所
描こうと思っていた場所

その場所で岩に腰掛けて、朝食用のサンドイッチを食べました。

しかし、しばらくそこで座っていても描こうという気になれなかったため、別の場所に向かうことにしました。

次に向かう場所はもう決めていました。
それは、一昨日訪れた大出の吊橋です。

一昨日訪れたときは、白馬の山々は雲で隠れていました。

今日も空は曇っていたものの、低い雲ではなかったので、白馬の山々がくっきりと見えていました。

もしかしたら、大出の吊橋からも綺麗に見えるかもしれません。

なるべく急いで歩きましたが、途中に庚申塔や石仏があると、ついつい寄り道をして写真を撮りたくなります(笑)

庚申塔
庚申塔

そんなことをしながら、ようやく大出の吊橋に到着しました。
予想通り、吊橋の向こうには白馬の山々がその姿を現しています。

「さあ、描いてくれ!」と言わんばかりの風景でした。

大出の吊橋と白馬の山々
大出の吊橋と白馬の山々

これで空が晴れていれば、さらに白馬の山々が映えるのですが、それは高望みというものかもしれません。

これらの白馬の山々は白馬(しろうま)連峰と呼ばれ、2000メートル級の山々が連なっています。

中でも、特に有名な三つの山は白馬(しろうま)三山と呼ばれています。

吊橋から見ると、左から白馬鑓ヶ岳(しろうまやりがたけ)、杓子岳(しゃくしだけ)、白馬岳(しろうまだけ)という名前です。

地名は「はくば」という読みなのに、山は「しろうま」なのが面白いですね~。

白馬三山の名称
白馬三山の名称

これらの山には登ることもできます。

ただし、白馬岳に登るときには大雪渓(雪の上の道)を通るため、アイゼン(靴底に装着する爪の付いた金具)などの登山装備が必要になるのだとか。

山について調べながらこの文章を書いていると、一度登ってみたくなりますね。

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というわけで、ようやく吊橋が見える場所でスケッチ用具を広げて描き始めました。

時刻は午前8時頃です。

なるべく急いで完成させようと思って、普段よりもさっさかと筆を動かしていました。

焦りが禁物なのはわかっていたのですが。

途中経過
途中経過

一時間ほど描いているとぽつぽつと小雨が降り出し、さらに30分ほど経つと本降りになってしまいました。

僕はあわてて荷物をまとめ、トイレの前の軒下に一時避難します。

雨が小降りになったら再開するつもりでいたので、しばらく軒下のベンチに座りながら缶ジュースを飲んでぼーっとしていました。

ですが、一向に雨が止む気配はありませんでした。

あとは記憶を頼りにして、イメージだけで描いてもいいかな。

僕はそう思って、軒下のベンチで続きを描いていました。

ところが、一時間ほど経つと雨が上がり、晴れ間も見えてきました。
先ほど描いていた場所に戻って、スケッチを再開します。

やはりイメージだけで描くよりも、実物を見て描いたほうがスムーズに筆が運びます。

リュックの上のバッタ
リュックの上のバッタ

午後になると、白馬の山々は雲に隠れてしまいました。

ですが、それまでにだいたいの山の形を描いていたため、残りは「こんな感じかな?」といった具合に仕上げてみました。

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午後2時頃に、スケッチは完成しました。

絵葉書にするとすごくいい感じになるかもしれません。

ですが、あまりにも絵葉書的で、セツでは評価されないかも…。
夏休み明けの合評会でどう言われてしまうか、今から少し怖いです(笑)

完成したスケッチ
完成したスケッチ

まだ時間は早かったのですが、かなり眠くなっていたため、一度ライダーハウスに戻って休むことにしました。

荷物をまとめて、また元来た道を戻ります。

帰りがけに、線路沿いにまた庚申塔と道祖神があるのを見つけたので、たくさん写真を撮りました。

この辺りでは、本当に歴史的なものが数多く残っているんだな~と思いました。

庚申塔
庚申塔

ライダーハウスに戻り、シャワーを浴びて一眠りします。
一時間ほど眠った後で、洗濯と夕食のために、また駅前に向かいました。

時刻は午後6時を過ぎたところです。

白馬には数多くの温泉があるため、一度は入りたかったのですが、ライダーハウスを出発する時間が遅くなったので、やめてしまいました。

その代わりに「せっかくだから、お礼も兼ねて今までに描いた絵の写真をオーナーに送ろう」と、ふと思いつきました。

まずコインランドリーで衣類を洗濯機に放り込み、駅前でカメラ屋を探しましたが、見つけたカメラ屋は既に30分前に受付を終了していました。

店の人によると、コンビニに行けばコピー機でプリントアウトできるとのことなので、帰るときに寄ることにします。

う~ん、もっと早く来ていればよかった…。
僕はそう思いつつも、仕方がないのでまずは夕食をとることにしました。

昨日食べた定食屋が美味しかったので、今日もその店に向かいます。

昨日訪れたときには時間が早かったので店内はガラガラでしたが、今日は賑わっていて、ほとんどの席は埋まっていました。

登山の格好をした客も多く、中には外国人の姿も見られました。

僕は空いているカウンター席に座ると、しょうが焼き定食(800円)を頼みました。

結構なボリュームがありましたが、空腹だったので食べ切ってしまいました。
美味しかったです。

しょうが焼き定食
しょうが焼き定食

それからまたコインランドリーに戻り、衣類を今度は乾燥機に放り込んでしばらく待ちます。

ソファに座って待っている途中、店の人がやってきました。

この店は夫婦で経営しているようで、彼らは僕に挨拶をすると店内の掃除を始めました。

窓を見ると、ガラスに虫がびっしりと付いています。
奥さんは外から水を掛け、彼らを追い払っていました。

乾燥が終わったので衣類をたたみ、ライダーハウスに戻ります。
その途中でコンビニに寄り、今まで白馬で描いた絵をプリントしました。

いろいろトラブルがあって、20分ほど掛かりましたが、何とかプリントアウトできてほっとしました。

夜の9時半頃にライダーハウスに戻り、オーナーに描いた絵の写真を渡しました。
あとで彼は「綺麗な色だね」と言ってくれました。

さて、やるべきことは終わったので、後は帰るだけです。

五日目に続く!

Keisuke

長野の白馬に行ってきました(三日目・姫川源流)

三日目は、姫川源流自然探勝園というところに行きました。

旅に出ると夜はあまり眠れないし、朝は早く目が覚めてしまいます。

窓の外を見ると、空は薄曇りですが雨が降る気配はなさそうです。
僕は「えいやっ」と起きて、午前6時頃にライダーハウスを出ました。

ところが、途中でフロントに鍵を置いてきたか心配になり、戻って確認しているうちに20分ほど経ってしまいました。

昨日はそんなに心配しなかったのですが、なぜか今日は気になったのです。

予定していた電車は6:57発。
せっかく早く出てきたのに、これでは間に合わないかもしれません。

僕は急いで駅まで向かいました。

到着したのは、出発の七分前でした。
(本当は、この一本後でも構わなかったのですが)

僕が電車に乗り込むのと同時に、学生たちも一緒に乗り込んできました。
彼ら同士で話をし、車内は賑やかです。

こちらでは、もう夏休みが終わって学校が始まっているのでしょうか。

白馬駅から南神城駅まで
白馬駅から南神城駅まで

三駅先の南神城(みなみかみしろ)駅で下車し、駅構内の休憩所で、あらかじめコンビニで買っておいたサンドイッチを食べました。

南神城駅
南神城駅

それから、姫川の源流に向かいました。

南神城駅から姫川源流まで
南神城駅から姫川源流まで

駅から姫川源流へと向かう道は、昨日神社の前を通っていた塩の道の一部であるそうです。

昔からこの道は人の往来があったため、歴史的な石仏などが多く残されています。

田舎道を歩く
田舎道を歩く

少し歩くと、道端には道祖神が祭られていて、その近くには大量の石仏がありました。

僕はこういう石仏が好きなので、たくさん写真を撮りました。

道祖神
道祖神
たくさんの石仏
たくさんの石仏

他にもこういうものがないかと思って、目的地には遠回りになってしまいますが、しばらく塩の道沿いに歩きました。

すると、小さな祠を見つけました。
その両隣には、庚申塔二十三夜塔と書かれた石碑が置かれています。

小さな祠
小さな祠

そういえば、以前にも庚申塔を描いたなぁ…。

そう思ってよく見ると、金剛様が邪鬼を踏みつけており、その下には三匹の猿が彫られていました。

前に地元で見たのと同じような作りです。

庚申塔
庚申塔

遠く離れている場所なのに、ちゃんと同じ作りになっているので、おお~と感心しました。

(正確に言えば、地元で見たのは金剛様の代わりに観音様?が彫られていましたが)

その隣の二十三夜塔という石碑については、僕はこの由来を知りませんでした。

後で調べてみると、月齢が二十三夜のときに地元の人が家に集まり、飲食を共にした後で、お経を唱えて月を拝み悪霊を追い払うという行事のようです。

二十三夜塔
二十三夜塔

近くにはスキー場もありました。

草がぼうぼうに生えていたので、今は閉鎖しているのかな。

そう思いましたが、後で調べたところ、ここは「白馬さのさかスキー場」という名前で、ちゃんと今でも営業してるそうです。

スキー場のリフト
スキー場のリフト

そんな寄り道をしながら、ようやく姫川源流自然探勝園の入り口に到着しました。

姫川源流の入り口
姫川源流の入り口

まずは園内にある荒(あら)神社にお参りをしてから、源流に向かいます。

荒神社
荒神社

森の中の小道を歩いていると、水の音がするようになりました。
ここが姫川の源流のようです。

ここには木の道が取り付けられており、それに沿って歩くことができます。

木の道伝いに歩く
木の道伝いに歩く
木の橋
木の橋

姫川は、昨日訪れた大出の吊橋が架かっている川のことです。
しかし、ここではまだほんの小川でしかありません。

ここから電車でたった三駅しか離れていないのに、吊橋の近くではあのような大きな川になっているというのが少し驚きでした。

ここは春になると、フクジュソウがあちこちで咲くそうです。
その頃も見ごたえがあるかもしれませんね。

木の道を歩いていると、少し広いスペースのある場所に出ました。

ここには、姫川源流が「全国名水百選」に選ばれていることが書かれた石碑が置かれていました。

そういえば、以前訪れた洒水の滝も、名水百選に選ばれていたことを思い出しました。

最近は名水百選に縁があるのかもしれません。

名水百選の碑文
名水百選の碑文

その近くには、姫川の由来について書かれた案内板がありました。

それによると、この川の名前は古事記に登場するヌナカワヒメが由来になっているそうです。

由来の案内板
由来の案内板

彼女とオオクニヌシが結婚して産まれた子供がタケミナカタです。

タケミナカタというと、以前訪れた鹿島神宮に祭られていたタケミカヅチと相撲を取って負け、諏訪まで逃げてきたことがあるのだとか。

いろんなことがちょっとづつ繋がってくると、なんだか面白いなと思いました。

さて、すぐにここでスケッチしても良かったのですが、まず先に隣にある親海(およみ)湿原に向かいました。

山道を歩く
山道を歩く

姫川源流から親海湿原までは、歩いて10分くらいの距離です。
山道を歩いていると、急に開けた場所に出ました。

ここが親海湿原のようです。

ここには姫川源流と同じように木でできた小道があり、それに沿って歩くと湿原をぐるりと一周することができます。

案内板によると、その途中でたくさんの種類の花を見ることができるそうです。

僕はあまり花の種類に詳しくはないのですが、せっかくなので覚えておこうと思いました。

案内板をじっくり読み、草花の写真を撮ります。

まだ朝早かったので、周囲には誰もいません。
そのおかげで、この風景を独り占めすることができました。

空気は爽やかで、「ああ、ここに来て良かったなぁ」と思いました。

木道を歩く
木道を歩く

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時系列が前後してしまうのですが、帰った後で植物の名前を調べてみると、どれもあまり聞いたことがありませんでした。

コバギボウシ(小葉擬宝珠)、ドクゼリ(毒芹)、サワギキョウ(沢桔梗)、
コオニユリ(小鬼百合)、キンミズヒキ(金水引)、フシグロセンノウ(節黒仙翁)などなど…。

興味がなければ「あ、綺麗だね」で終わってしまいます。

ですが、後で調べると「こういう名前だったのか」と覚えることができて、面白いです。

コバギボウシ
コバギボウシ
ドクゼリ
ドクゼリ
サワギキョウ
サワギキョウ
コオニユリ
コオニユリ
キンミズヒキ
キンミズヒキ
フシグロセンノウ
フシグロセンノウ

このサイトでどんな花が咲いているか見ることができます。

そのうちに、こういった草花だけをスケッチしてもいいかも、と思いました。

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木の小道を一周すると、また姫川の源流に向かいます。

その途中で、名古屋から来たという中高年の夫婦に声を掛けられました。

「その大きな筒は望遠レンズなの?」と、奥さん。

「あ、いえ。この中にはスケッチに使う紙が入っているんです。今から源流で描くつもりなんですよ」

「へえ~。今までどんな絵を描いているの?」

僕はデジカメを取り出して、今までに描いて写真に撮っておいた絵を見せると、「とても綺麗な絵ですね!」と褒めてくれました。

「私たちは名古屋から来ているの。格安ツアーでね」と、奥さん。

「僕は一泊1500円の宿に泊まっているんですよ」

「ふーん。探せばあるもんだねぇ」と、旦那さん。

僕は名刺を渡し、二人と別れました。

10時頃に姫川の源流に戻り、先ほどの名水百選の石碑がある少し広い場所でスケッチを始めました。

目の前には木製の橋があり、その下を小川が流れています。

描いた場所
描いた場所

水面下では水草が流れに乗って、ゆらゆらと揺れていました。
その上には、小さな白い花が水面から顔を出すように咲いています。

この花はバイカモと呼ばれ、漢字で書くと「梅花藻」になります。

これは藻の一種で、その名の通り梅の花の形によく似ており、水温が低くて綺麗な川にしか生育できないそうです。

バイカモ
バイカモ

水に手を入れると、ひんやりとして気持ちよかったです。
昨日もそうでしたが、長野の水はとにかく冷たいことが特徴的なのですよね。

また、その近くには黄色の花をいくつも付けた大きな花が咲いていました。
これはオタカラコウ(雄宝香)と呼ばれている植物だそうです。

オタカラコウ
オタカラコウ

スケッチをしていると、周囲に観光客や写真を撮る人が集まってきました。
確かに、ここは絶好の撮影スポットなのかもしれません。

通行の妨げになっては悪いなと思って、邪魔にならないような場所で描いていました。

しかし、僕は一番いい場所を確保してしまったようです。

撮影しようとしていた人にとっては、僕やスケッチ用具が写り込んで、結果的に邪魔になっていたかもしれません。

途中経過
途中経過

昼過ぎにおにぎりを食べた後は、猛烈に眠くなりました。
トイレに寄ったついでに、屋根付きのバス停のソファで横になります。

30分ほど寝ると、ずいぶん頭がすっきりしました。

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そんなことをしながら、午後4時頃まで描いていました。

完成したスケッチ
完成したスケッチ
スケッチと風景
スケッチと風景

水が流れている様子を描きたかったのですが、静止していないものは描くのが難しかったです。

でも苦労した甲斐もあってか、それなりには見えるような気がします。

せっかくなので、水草の上に咲いているバイカモの白い花も描いてみましたが、この絵では白い点々に見えてしまって、わかりにくいかもしれません。

今日は遠近感を出してみようと思ったので、手前の水草をかなり描き込み、奥はわざとぼかした感じで描いてみました。

どうでしょう…後ろのほうは手抜きに見えてしまうかも?

逆に、橋の質感や手前の水草は上手くいったかな、と思います。

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スケッチを完成させて帰る間際になると、一人の高齢の女性が話しかけてくれました。

その際に、いろいろな植物の名前を教えてくれました。

僕はバイカモは知っていましたが、近くに咲いているピンク色の花の名前は知りませんでした。

彼女の話によると、これはツリフネソウ(釣船草)という花なのだそうです。

ツリフネソウ
ツリフネソウ

それから、荷物をまとめて南神城駅へと戻りました。

17:07発の電車に乗り、白馬駅で下車します。

電車が到着
電車が到着

ライダーハウスに戻る前に夕食をとろうと思ったので、定食屋に寄って野菜炒め定食を食べました。

まだ午後6時前だったので、店の中はガラガラだったのですが、人気のない店というわけでなく結構美味しかったです。

僕は高級な料理屋よりも、こういう庶民的な店のほうがなじむ感じがします。

野菜炒め定食
野菜炒め定食

定食に加えて小さなラーメンまで付いています。
かなりのボリュームがありました。

でも、一日中歩いていて空腹だったので、食べ切ってしまいました。

店を出てからライダーハウスに戻る途中で右手を見ると、白馬の山々が初めて顔を見せてくれました。

雄大な景色が間近に見えて、おお~と思いました。

白馬の山々
白馬の山々

それからライダーハウスに戻り、シャワーを浴びてから就寝しました。
明日は雨の予報なので、描けるかどうか心配です。

四日目に続く!

Keisuke