セツ展・2017(その1)

2月14日(火)~19日(日)の期間、銀座アートホールにて「セツ展」が行われます。

セツ展のDM
セツ展のDM

これはセツを代表する学校展です。
セツが今年で閉校になってしまうため、これが最後の機会になります。

ところが、残念ながら僕の絵は展示されません。

これには、以下のような経緯があるのです。

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実は、セツ展では全生徒の作品ではなく、選考を経て選ばれた作品のみが展示されるのです。

その基準の一つとなるのが、セツ風であるかどうかということ。

「セツ風とは何か?」と説明するのは難しいのですが、もともとこの学校は自由さ+上品さを標榜しているため、それが基準の一つになっています。

そして、もう一つが人物画であること。

風景画や抽象画は、よっぽどいい絵ではないと入選しないことを、事前に聞かされていました。

でも、僕は風景画を描くのが好きなのです。
人物画は、あまり得意ではありません。

困った僕は、一点だけ人物画を描き、他は風景画を出そうと考えました。

審査が行われたのは、昨年の12月。
出せるのは一人7点まででした。

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人物画は、セツの生徒であるYさんの絵を描くことにしました。
Yさんは、以前に映画の看板を描いていた大ベテランの人です。

年齢は78歳ですが、現在でもセツや四谷デッサン会で絵を描いています。
何歳になっても上達しようという意気込みには、頭が下がる思いです。

せっかくなので、今回は全判サイズの紙に挑むことにしました。

普段、人物水彩や風景画では四六判半切の紙を使っているのですが、全判はそれよりも面積が倍になります。

これは、広げた新聞紙を縦に二つ並べたのとほぼ同じ大きさです。

それをB1の木製パネルに、水張りすることにしました。

水張りとは、簡単に言うと水彩画で画用紙を波立たせないように、あらかじめパネルにぴったり固定する方法です。
(詳しい説明は、こちらのサイトを参照してください)

事前に小さな紙で練習してから、いよいよ本番!

紙が大きいので、お風呂場で作業することにしました。

浴槽に水をため、紙をその中に漬けて上からシャワーを掛けます。
それを何度か繰り返してから、パネルにテープで固定しました。

失敗しないか不安でしたが、何とか上手くできました。

パネルに水張りした紙
パネルに水張りした紙

僕はこれに、以前に群像デッサンの授業で描いた、Yさんの絵を基にして描き始めました。

下絵
下絵

シックな色合いで重厚感を出そうと思って、濃い色をどんどん重ねていきました。

途中経過
途中経過

完成した絵がこちらです。
タイトルは「78歳の画学生」です。

完成作品
完成作品

うーん、色味が沈んでしまったのは良くなかったかも…。

もっとYさん本人の雰囲気を出したかったのですが、あまり上手くいきませんでした。

描いているときも、あまり楽しくなかったです。

それは、そこに自分の作為が入り込むからかもしれません。

風景画なら、風景が自分の絵を引っ張ってくれることがあります。
見たままを素直に描くことで、絵ができあがります。

それに対して、スケッチを基にした人物画は、「こうしてやろう」という意図や作為が入り込むため、かえって描くのが苦しくなるのかもしれません。

また、今回初めて全判に挑戦したので、その大きさにまだ慣れていなかったのです。

それでも描いたことには変わりはないと思って、自信はなかったのですが、この絵を出すことにしました。

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それに加えて、風景画を3点持っていくことにしました。

左から「金色のイチョウ」「秋の木漏れ日」「赤く色づいたカエデ」というタイトルです。

秋シリーズで統一してみました。

秋シリーズ
秋シリーズ

風景画はもっとたくさん描いたのですが、持って行けるのはこれが限界でした。

審査には作品の額装か水張りが必要で、持ち運びが非常に重くなるためです。

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ここまで書けば、もうおわかりだと思われますが、僕は審査に落ちてしまったのです。

長くなったので続きます

Keisuke

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