少し前になりますが、ゴールデンウィーク中に茨城の鹿嶋に行ってきました。
ここには父親が住んでおり、その近辺でスケッチができないかと考えていたのです。
鹿嶋でスケッチするのは、去年の夏に引き続き、これが二回目です。
(前回の記事はこちらです)
今回は、まだ訪れたことのない場所に行ってみようと思いました。
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当日は朝早くに父親の車で出発し、朝9時頃に潮来(いたこ)市に着きました。
今日はこの辺りで描こうと思っていたのです。
スーパーの駐車場で降り、潮来駅の方へと向かいます。
常陸利根川には屋形船がつながれていました。
潮来は四方を水に囲まれた水郷地帯で、昔から水運が発達していました。
サッパ舟と呼ばれる手こぎ舟を、交通の足として使っていたという歴史があります。
現在でも観光の一つとして、舟めぐりの文化が残されています。
「ちょっと君、舟に乗らない?普段なら5千円のところ、3千円でいいからさ」
客引きのおじさんはそう言っていましたが、僕には絵を描くという目的があるため、乗っている時間はありません(高いしね…)。
駅の近くまで来ると、そこには「水郷潮来あやめ園」がありました。
ここは5月下旬から6月にかけて行われる、「水郷潮来あやめまつり」の会場になっています。
ここには舟着き場があり、伝統的な服を着た船頭さんが待機していました。
舟着き場は、昔ながらの瓦屋根の木の建物でした。
軒下に吊された風鈴の音がとても涼やかです。
風鈴
その近くは、笠をかぶった股旅姿の橋幸夫の銅像が置かれ、スイッチを押すと「潮来笠」などの曲が流れるようになっていました。
舟着き場の手前は広いあやめ園になっていますが、今は緑の草が一面に生えているだけで、まだ花は咲いていません。
その上にはあやめ園をまたぐように、大きなアーチの橋が架かっています。
この橋の上からは、あやめ園を一望することができます。
船着き場の奥は、藤棚になっています。
ちょうど綺麗な紫色の花が咲いていました。
僕は舟着き場とアーチの橋、アヤメが見える場所で描こうと決めて、折りたたみ椅子に腰を下ろしスケッチ用具を広げました。
その場所は木陰になっていましたが、当日は日差しが強かったため、つばの広い帽子と日焼け止めが役立ちました。
しかし、実際に描き始めると、思ったよりも難航してしまいました。
舟着き場の瓦屋根やアーチの橋は、描くのがとても難しかったからです。
どうにか一枚の絵として破綻しないように…と思いながら、少し慎重になって描いていました。
周囲は、日本人・外国人を問わず、観光客が多かったです。
いつの間にか、僕の周りには中国人観光客が集まり何か話していましたが、僕には全く理解できませんでした。
お昼過ぎに、小さな女の子が寄ってきました。
「うまいねー!めっちゃ色が綺麗じゃん!」とのこと。
ありがとー。
描いていると、ゆっくりとした足取りで、巨大なタニシを入れたバケツを持ったおばあさんが、こちらに向かって歩いてきました。
(今思うと、どうしてそんなものを持っていたんだろう?)
おばあさんは僕の荷物を気にせずに進み、あやうく僕の絵の具を踏みそうになったので、慌てて足をつかんで制止します。
危ない危ない…でも、そんなことをしてごめんなさい。
おばあさんはベンチに座って一休みすると、またどこかに行ってしまいました。
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午後4時半前に、スケッチは完成しました。
一応、それなりに破綻のない絵になってよかったです。
ただし離れて見ると、ちょっと色が薄かったかもしれません。
もう少し濃い色を乗せて、インパクトのある絵にしたほうがよかったかも…。
帰り支度をしていると、ボランティアの老人の男性が話しかけてくれました。
「あやめ園に植えられているのは、実はほとんどアヤメではなく、カキツバタなんですよ」
ううむ、そうだったのか…。
てっきり、僕はこれが全てアヤメだと思っていました。
でも、後でネットで調べてみると、これはカキツバタではなく、ハナショウブなのだとか。
アヤメ?カキツバタ?ハナショウブ?う~ん、ややこしい。
でも、ハナショウブのことをアヤメともいうそうなので、厳密には間違いではないとのこと。
(一応、 こちらが花の見分け方です)
あやめ園の一角には、ぽつぽつとアヤメ(こちらは本物)の花も咲いていました。
黄色い花と紫色の花の二種類がありました。
どうせなら、こちらも大々的に植えてアピールすればいいのにな~。
帰りは近くのスーパーの駐車場まで、父親が車で迎えに来てくれました。
さらに、父親は夕食も作ってくれました。
いつの間にか、とても料理が上達していてびっくりです。
メニューは豆乳カレーとアボカドのサラダでした。
というわけで、二日目に続きます~。
Keisuke