長野の白馬に行ってきました(二日目・水車小屋)

二日目は、大出(おおいで)の吊橋の方面に行きました。

この吊橋は、晴れていると吊橋の奥に雪をかぶった白馬の山々を見ることができます。

僕はガイドブックでその写真を見て、「こんなところでスケッチしたいな」と思っていました。

今日はそれが叶うと思うと、わくわくして朝早くに目が覚めてしまいました。

起きて外を見ると、雲が多いものの晴れ間も見えていました。
天気が心配だったのですが、この様子なら山々が綺麗に見えるかもしれません。

ライダーハウスで昨日買っておいた朝食をとり、出発します。

吊橋は白馬駅の線路を渡った先にあるので、まずは歩いて白馬駅に向かいました。

靴を見るとかかとがはがれていたので、途中のコンビニで昼食を買ったついでに、アロンアロファを買って補修しました。

白馬周辺の地図(1)
白馬周辺の地図(1)

さて、吊橋に向かう前に少し寄り道をすることにしました。

まずは、木流(きながし)川の上流に向かいました。

白馬周辺の地図(2)
白馬周辺の地図(2)

この川は、白馬の中心を流れる姫川の支流で、川に沿って遊歩道が整備されています。

川の近くには、木で造られた古い建物がありました。

川沿いの古民家
川沿いの古民家(2)
川沿いの古民家(2)

川に沿って歩くと、細いアスファルトの道と交差する場所に出ました。

その道沿いには神社があったので、お参りすることにします。

神社の入り口
神社の入り口

鳥居をくぐると、そこには二つの建物が並んでいました。

向かって右の建物は平川神社八幡宮と呼ばれ、こちらがこの神社のメインの建物だそうです。

僕はそこで「今日はいい絵が描けますように!」とお祈りしてきました。

平川神社八幡宮
平川神社八幡宮

向かって左の建物は、戦争で亡くなった白馬出身の人の魂を祭る護国神社だそうです。

近くの石碑を見ると「明治四十四年に造られた」と書かれていたので、日露戦争の後で建てられたのですかね…。

護国神社
護国神社

また、この神社が面した街道は「塩の道」と呼ばれており、長野の松本から新潟の糸魚川へと続く道として発展したそうです。

非常に景色の良い道ですが、道は険しく、冬場は大雪のため通行するのは困難だったとか。

また、戦国時代に上杉謙信が武田信玄に塩を送ったとされるのも、この道を利用したそうです。

それからまた川沿いの道に戻り、さらに川の上流に向かいます。
まだ朝が早いので、周囲にはほとんど人がいません。

遊歩道は草むらの中の小道になっています。
昨日雨が降ったので、足元の草は濡れていました。

深呼吸をすると、草木から立ち上ってくる独特の甘い爽やかな匂いがしました。

嗅いだことのある人なら、なんとなくわかってくれると思うのですが…。
伝わりますかね、この感じ。

将来こんなところに住んで、自然と共に生きられたらなぁ…と思います。

ですが、実際に住んでみると不便を感じるだろうし、冬場は大量の雪が降るのでそれはそれで大変かもしれません。

しばらく歩くと、遊歩道は木々の間の道になりました。
その横を小川がさらさらと流れています。

木々の間の道を歩く
木々の間の道を歩く

この小道は特にこれと言って見るべきものはなく、観光スポットでもありません。

訪れる人もあまりいないのですが、僕はこの場所が気に入りました。

別の日にここでスケッチするのもいいかな。
とてもリラックスできる場所でだったので、僕はそう思いました。

その先には小さな池(ビオトープ)がありました。
ここには木で造られた小屋があり、中から池の様子を観察することができます。

案内板によると、ここには多様な生物がいるとのこと。
でも、僕が見た限りでは、特にこれといった生き物はいなかったような…。

池と小屋
池と小屋

遊歩道はまだ奥まで続いていましたが、寄り道ばかりしていられません。
元来た道を引き返し、また駅の方向に向かいました。

元の道を引き返す
元の道を引き返す

次に、線路を越えた先にある詩の小径(うたのこみち)という場所に行こうと思いました。

地図によると、この道を辿っていけば大出の吊橋に到着するそうです。

白馬周辺の地図(3)
白馬周辺の地図(3)

場所がわかりにくかったので、駅前のタクシーの運転手に尋ねました。
でも、その人はこの辺りの地理にあまり詳しくなかったようです。

彼は別な運転手を紹介してくれて、「あの人のほうがよく知っているから」と教えてくれました。

(その別の運転手に聞くと、丁寧に道順を教えてくれました)

案内板の方向に向かうと、「詩の小径」と書かれた木の柱が立っていました。
ここが入り口のようです。

「詩の小径」の入り口
「詩の小径」の入り口

その近くには六体の地蔵が祭られていました。
これらは、一体一体に名前が付いているそうです。

六地蔵
六地蔵

小さな橋を渡ったところには、釣り人の人形が置かれていました。
僕はその表情が面白く感じて、気に入ってしまいました。

橋の近くに置かれていた釣り人の人形
橋の近くに置かれていた釣り人の人形

川沿いには素木庵(すきあん)という古民家があり、木で作られたスプーンやフォーク、和紙で作られた小さな鉢植えなどが売られていました。

軒下には蒸気機関車が描かれた、非常に上手な絵が飾られていました。

素木庵
素木庵
さまざまなものが販売されている
さまざまなものが販売されている

詩の小径沿いの木の幹には、木の板に書かれた俳句や川柳が掛けられていました。

これらは地元の住人や観光客が書いたもので、この道の名前の由来になっているそうです。

途中で小さな橋を渡りましたが、その欄干にも句が取り付けられていました。

橋を渡る
橋を渡る

その道を抜けた先には、鮭の養殖場がありました。
生簀(いけす)の水は透き通っています。

生簀
生簀
魚がたくさん泳いでいる
魚がたくさん泳いでいる

ここで育てられている信州サーモンは、約10年かけて開発された品種だそうです。

ニジマスとブラウントラウトを掛け合わせて作られたのだとか。

「信州サーモン」の解説
「信州サーモン」の解説

そんなものを見ながら歩いていると、ようやく目的地の大出の吊橋に到着しました。

その手前には藁葺きの古民家があります。

大出の吊橋
大出の吊橋
茅葺きの古民家
茅葺きの古民家

早速渡ってみると、橋は結構な高さがありました。
でも、頑丈に造られていて揺れなかったので、それほど怖くはありませんでした。

この吊橋が架かっている川は姫川と呼ばれています。
白馬の中心を貫き、最終的には新潟の糸魚川に繋がっているそうです。

吊橋の近くには広場があり、そこの一角には橋を見渡せるポイントがあります。

橋を見渡せるポイント
橋を見渡せるポイント

ここからは雲がない日なら、吊橋の向こうに白馬の山々を望むことができます。

まさにガイドブックに載っていたのはこの場所であり、昨日観光案内所で貰った地図にも「絶好の撮影スポット」と書かれていました。

…ですが、この日は雲が多く白馬の山々は隠れてしまって、残念ながら見ることができませんでした。

なんだか想像していたのと少し違うなぁ…。

僕はそこでスケッチするのはあきらめて、別の場所を探すことにしました。

しかし、特に他にはこれといって描きたい場所がなかったため、とりあえず近くをぐるっと散歩してみることにします。

もう一度吊橋を渡って対岸に行くと、そこは道路の工事中でした。

水車小屋だったら、そこの脇道から行けるよ」
交通整理をしていたおじさんは教えてくれました。

そんなものがあるのか…。
僕は知らなかったのですが、行ってみることにしました。

川沿いの細い道を少し歩くと、小さな広場に出ました。

そこには水車小屋があり、近くには小川が流れています。
水車が跳ね上げた小川の水が、キラキラと光っているのが見えました。

水車小屋
水車小屋

その近くにはアジサイも咲いていました。

多少色は悪くなっていましたが、もう八月の中旬なのにまだ咲いているということは、こちらでは季節の進みが遅いのでしょうか。

アジサイと小川
アジサイと小川

僕はこの場所が気に入ったので、水車小屋が見える場所に腰を下ろし、スケッチすることにしました。

時刻は午前10時頃です。

日差しが強かったので、木陰で描き始めました。
しかし、一時間もしないうちに太陽が移動して日向になってしまいました…。

これだったら、いっそのことあと5メートル前に出たほうが、より小川の流れがはっきり描けたかもしれません。

半袖で描いていると、腕がチリチリと焼かれている感覚になりました。

それでも空気は乾燥しているし、ときどき涼しい風が吹いてきます。
これ以上は耐えられない、ということはありませんでした。

途中経過
途中経過

描いていると、大型の犬を連れた家族がやってきました。

犬は小川を見つけると、喜んで中に飛び込んで、ザブザブと水の中を歩き回っていました。

(リードする側の父親は大変そうでしたが…)

10歳くらいの女の子は「すごく水が冷たい!足がやばい!」と言っていたので、彼らが去った後に、そっと小川に手を浸してみると…。

…うわっ、冷たい!

それは、予想していたよりもずっと冷たい水でした。

僕は靴と靴下を脱いで流れに足を浸しましたが、しばらくすると足の感覚がなくなってしまうほどでした。

僕はそこで顔を洗って、腕にも水を付けました。
濡れた顔に涼しい風が吹いてくると、とても気持ちよかったです。

これほど水が冷たいのは、白馬の山々の雪解け水だからなのでしょうか。

ずっと描いていると飽きてしまうので、たまに吊橋の辺りを散歩しました。

川は昨日降った雨のせいで、茶色く濁った水が勢いよく流れています。
その川をゴムボートでラフティングをしている人たちが見えました。

ラフティングをする人たち
ラフティングをする人たち

そんなことをしながら、午後3時頃まで描いていました。

完成した絵は、なかなか気に入った出来になりました。
水車小屋の陰の紫色がうまくいったかな?と思います。

完成したスケッチ
完成したスケッチ
スケッチと風景
スケッチと風景

僕は満足してスケッチ用具を片付けると、しばらく周囲の遊歩道を歩いた後で、また元来た道を引き返しました。

せっかくなので、詩の小径に僕の考えた川柳を投稿しようと思ったのですが、投票箱が見当たらないため、諦めてしまいました。

どんな句を考えていたかって?…それは秘密です(笑)

一時間ほどせっせと歩き、ライダーハウスに戻ります。

シャワーを浴びてしばらく休んだ後に、洗濯と食事のため、また駅前に向かいました。

(泊まっていたライダーハウスには洗濯機がないからです)

オーナーに教えてもらったコインランドリーに入り、洗濯物を洗濯機(400円)に放り込みます。

終わるまでに30分以上かかるようなので、その間に駅前でどこか食べる場所はないかと探しました。

コインランドリー
コインランドリー

良さそうだなと思った食堂は定休日だったため、最終的には一軒の魚料理店に入りました。

店内では登山帰りの若者たちが食事をとっていたり、現地の老人たちが酒を飲んでいたりしていました。

思ったよりも繁盛している様子です。

店に入る前は「もしかしたら高い料理屋かも?」と心配していましたが、メニューを見てみると、そこそこリーズナブルな値段でした。

僕はカウンター席に座ると、メニューの中から海鮮丼を選びました。

梅・竹・松の三種類のグレードがありましたが、僕は一番安い梅(850円)を頼みました。

それでもイクラが上に乗っていて、味噌汁やお漬物まで付いていました。
とても美味しかったです。

海鮮丼
海鮮丼

食べ終えた後は、またコインランドリーに戻り、洗濯物を乾燥機(200円)に移し替えて20分ほど待ちました。

ぼんやりと自分の洗濯物が乾燥機の中で回っているのを眺めていると、そこに部活帰りの女の子たちがやってきました。

彼女たちは、大量の汚れたユニフォームを持ち込んで洗濯していました。

乾燥が終わったようなので取り出し、たたんでからライダーハウスに戻りました。

明日もいい絵が描けるといいな…と思いながら就寝します。
三日目に続く!

Keisuke

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です