源氏山公園に行った次の日は、二宮にある吾妻山(あづまやま)公園で絵を描いてきました。
とても見晴らしが良い場所でしたよ。
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さて、当日は東海道線の二宮駅で下車し、吾妻山公園に向かいました。
観光協会の横の細い道を抜け、公園の入り口に着きました。
そこには、300段にも及ぶ階段が待ち受けています。
僕は荷物を背負って、階段を登りました。
以前に一度だけ来たことがありますが、こんなにきつかったかな…。
ようやく階段を登りきると、その先は雑木林が広がる登り坂でした。
しばらく歩いていると、開けた場所に出ました。
そこには大きなアスレチック風の遊具や、ローラーコースターが置かれています。
さらに坂を登り、やっと目的地の芝生広場に到着しました。
ここには展望台があり、相模湾や小田原市街、箱根や丹沢の山々が一望できます。
この日は雲一つない晴天だったので、富士山まで見ることができました。
僕は海が見える場所にイーゼルを立てて、11時頃から描き始めました。
青空、箱根の山々、海、小田原の市街地…の順で、遠景から近景へと描いていきます。
11月なのに日差しが強く、暑かったです。
この日は日曜日だったので、広場には親子連れの人たちも多かったです。
僕の絵に興味を持ってくれたり、後ろでじーっと見たりしている子供もいました。
一人の男の子は、僕に話しかけてきました。
「絵、めっちゃうまいね」
「ありがとう」と、僕。
「そのパレット、すごく使ってるね」
「使い込んでるでしょ」
セツでは使ったパレットを洗わないように言われているので、年期が入っているように見えるのです。
実は、まだ一年半しか使っていませんが。
「その穴は何なの?」
彼は、パレットに空いている楕円の穴を指さしました。
本来の使い方は、ここに指を入れてパレットを持つのですが、僕はいつも膝に置いて描いています。
「これは、ここから景色を覗くんだよ」
「ふーん、そうなんだ」
僕は嘘を教えて、穴から男の子を覗きました。
(信じていたらどうしよう…)
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そんなことをしながら描き進め、絵は午後4時頃に完成しました。
遠近感を出したかったので、遠景は白を多めに混ぜて描き、近景は濃い色を使って描きました。
しかし、画面の下側が少し重くなって、画面全体のバランスが悪くなってしまったかもしれません。
道具を片付けていると、夕日がちょうど箱根の山の向こう側に沈むところでした。
僕はしばらく写真を撮り続けました。
もっとゆっくり見たかったのですが、あまり遅くまでいると、帰りに足下が暗くなってしまいます。
なごり惜しいですが、芝生広場をあとにしました。
雑木林の道を通り、長い階段を降りて二宮駅まで戻りました。
Keisuke