先日、鶴見に風景スケッチに行ってきました。
行った場所は、JR鶴見線の国道駅(こくどうえき)付近です。
これを読んでいる方々は、「なぜわざわざそんな場所に行ったのか?」と疑問に思うかもしれません。
それは、僕は以前に鶴見にある職業訓練校に通っていたことがあるからです。
鶴見駅から訓練校までは、鶴見線を利用したほうが早いですが、僕はその区間を40分ほどかけてたまに歩いていました。
そんな中で、国道駅付近の雰囲気が気に入り、いつかスケッチしたいと考えていました。
このことはずっと忘れていたのですが、最近になってふっと思い出したのです。
数年越しの念願がようやく叶った、といったところでしょうか。
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鶴見線は鶴見駅を基点とするJRの路線ですが、関東近辺でも知る人ぞ知るマイナーな部類に入るのではないでしょうか。
なぜなら、一般の人はほとんど利用する機会がなく、利用者は主に沿線付近の工場の従業員や職業訓練校の生徒などに限られるからです。
そのため、朝夕は非常に電車の本数が多いですが、日中は極端に本数が少なくなります。
この鶴見線には、特徴的な駅がいくつかあります。
例えば、海芝浦(うみしばうら)という駅は、ホームが海に面しています。
改札を出た先が工場の敷地になっているため、一般の人は改札を出ることができません(ただし、その近くに隣接されている公園には、一般の人でも立ち寄ることができます)。
まだこの駅には行ったことはないのですが、そのうち行ってみたいですね。
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さて、当日は朝早く出発してJR鶴見駅で下車します。
そこから15分ほど歩いて、8:40頃に国道駅に到着しました。
国道駅は、鶴見駅から鶴見線に乗って一つ先の駅ですが、歩いてもそれほど距離はありません。
前述のように、鶴見線は特徴的な駅の多い路線ですが、国道駅もそれに負けないほどの特徴があります。
この駅構内は、1930年に建設された当初から全く改築されていないのです。
そのため、特に駅のガード下は昭和の香りがぷんぷんします。
このガード下は、映画やドラマのロケにも使われたことがあったそうです。
現在は無人駅ですが、Suicaには対応しています。
この場所では、以前はさまざまな店舗が営業していましたが、今はほとんど閉鎖しています。
しかし、「国道下」という焼き鳥屋は、唯一営業しているようですね。
その近くには、太平洋戦争の頃にアメリカ軍から空襲を受けたときの、機銃掃射の跡が今でも残されています。
(現在はその上に緑のネットが張られています)
このガード下も絵になりそうですが、本日の目当ての場所はここではありません。
ガード下を抜けて、鶴見川に出ました。
この場所は海が近いので、流れが非常にゆったりとしています。
頭上には鶴見線の高架があり、その岸辺には船が係留されていました。
河口側の川に架かっている道路は、首都高速神奈川1号横羽線です。
その上を乗用車やトラックなどの車両が行き交っているのが見えました。
その向こうに大きく見えるのは、横浜火力発電所の排気筒です。
高さは200mある、巨大な建築物だそうです。
ツインタワーですが、スケッチした場所からでは重なってほとんど一本に見えました。
僕はそんな風景が見える高架下で用具一式を広げ、スケッチを始めました。
描いていると、ときどき高架の上を電車が走っている音が聞こえてきました。
当日は暑く日差しが強かったので、日向で描くのは自殺行為でしたが、高架下は日陰になっており、風が吹いていたので過ごしやすかったです。
ただ、途中で風にあおられたイーゼルが倒れてしまうことが何度かありましたが…。
ここは現地の人(主に老人)がたむろする場所にもなっています。
彼らは、主に本日行われる競馬の話をしていました。
そんな中で、僕はかなり大きな絵を描いていたので、いやでも目立ちます。
そのため、彼らは僕にいろいろ話しかけてくれました。
「私もこのぐらいの絵を描いてみたいんだけどね」と言う人や、
「これあげるから、頑張ってね」と、缶コーヒーをくれる人もいました。
描いている途中で、近くにいた小さな女の子が急に泣き出して、父親があやしていましたが、どうしてそんなに泣いていたのかわかりません。
9:00頃にスタートし、休憩を含めて5時間半ほどで完成させました。
これだけ注目されていたので、「失敗したらどうしよう」と少し不安になっていたのですが、何とか無事に完成したのでほっとしました。
空や川の緑色と、川沿いの道のピンク色との対比が気に入っています。
あまり絵に手を加えすぎると、色が濁ってしまうことがあるのですが、そうならなくてよかったです。
やっぱりセツに通い始めると、少しずつ画風が変化している気がしますね。
良い方向に向かってくれますように。
Keisuke