白馬旅行の一日目です。
この日は八王子駅まで行き、そこから12:30発の特急あずさに乗って松本駅まで向かい、さらに大糸線に乗り換えて白馬駅まで向かう予定でした。
ところが、さっそくトラブルが発生しました。
中央線で人身事故があり、その関係であずさの到着が遅れていたのです。
結局、15分遅れで列車は八王子駅に到着しました。
僕が乗り込むと、列車はすぐに出発します。
車内は思ったよりも混雑していました。
時刻通りに行けば、松本での乗り換え時間が23分あるので、「これならぎりぎりで間に合うかも?」と思っていました。
しかし、列車が駅に止まるたびに、徐々に遅れが大きくなっていきます。
松本に着いた頃には、もう予定していた電車が行ってしまった後でした…。
というわけで、松本駅で40分ほど待ち、予定していた一本後の大糸線の電車に乗りました。
大糸線は、松本駅から新潟の糸魚川駅をつないでいるJRのローカル線です。
安曇野(あづみの)の田園地帯を抜けて、一時間弱で信濃大町駅に到着しました。
白馬駅に向かうには、ここでまた乗り換えなければいけません。
乗り換えのために一度電車を降りて、駅のホームで待ちます。
少し肌寒く感じてきたので、荷物から長袖を取り出して着込みました。
念のために上着を持ってきていてよかったです。
25分ほど待っていると、白馬駅に向かう電車が到着したので乗り込みます。
ボックス席の車窓から外を見ると、空は厚い雲が立ち込めて、辺りはどんどん薄暗くなってきていました。
電車は田園地帯から、緑深い森や杉林の中に入っていきます。
なんだか地の果てに向かっているようで、非常に心細くなりました。
途中では、木々の間から大きな湖も幾つか見えました。
これらは木崎湖や青木湖と呼ばれている湖です。
午後5時過ぎに、ようやく白馬駅に到着しました。
ここは大糸線の中でも比較的大きな駅で、ここで降りる乗客がたくさんいました。
学生たちや登山の服装をした人たちの中に混ざって、僕も下車します。
まず、駅前の観光案内所で白馬の観光マップを貰ってから、ライダーハウスに向かいました。
建物は駅から2km以上離れたところにあります。
あらかじめ調べていた地図によると、駅前を通っている幹線道路を南に歩き、右折してしばらく行ったところにあるそうです。
僕が歩くペースだったら、だいたい40分くらいかな…。
僕はそう見込んでいましたが、実際に歩いてみると思ったよりも長く感じてしまいます。
早く着かないかなぁ、と考えながら歩いていました。
さらに、途中で雨が降り出しました。
リュックから折り畳み傘を取り出すのは面倒なので、そのまま歩いていました。
でも、しばらくすると本降りになってきて、かなり濡れてしまいました。
ライダーハウスはこの道路をどこかで右折するのですが、地図を見ても場所がわかりにくかったので、大きな薬局の前で電話して聞いてみました。
すると、ちょうどこの薬局の角を右に曲がればいいそうです。
途中にコンビニもあるので、そこで食料を調達してもいいのだとか。
電話通りにその角を右折して幹線道路から離れると、細い真っ直ぐな登り坂になりました。
通り沿いには別荘やペンションが並んでいて、途中にはセブンイレブンもあります。
その道をしばらく歩くと、右手に「炭火焼肉ジョイフル」と書かれた看板が出ていました。
どうやらここが今日から泊まる予定の「ライダーハウスJoyful」のようです。
宿に到着すると、オーナーが奥の部屋から出迎えてくれました。
電話口ではもう少し若い人を想像していましたが、現れたのは白い無精ひげを生やしたおじいちゃんでした。
彼は「結構雨に降られた?」と僕を気遣ってくれました。
チェックインの手続きを済ませると、彼は僕を部屋に案内しました。
予想していたよりもずっと綺麗な部屋で、テレビも付いていました。
部屋の中には赤いカーペットが敷かれており、二つのベッドが並べられています。
「ベッドは二つのうちの一つを使って。ライダーハウスだから、部屋には冷蔵庫もなにもないよ!」
彼はそう言っていましたが、一泊1500円という値段で、個室とベッドがあるだけでも天国というものです。
「四日間は好きに使ってくれて構わないよ。出かけるときは、フロントに置いておけばいい」
オーナーは僕に部屋の鍵を渡し、そう言いました。
ここは先ほどの看板の通り、焼肉を夕食に出してくれるそうですが、この日は僕しか泊まっていなかったので、夕食のサービスはないそうです。
その替わりに幹線道路まで出れば、通り沿いに何軒か料理屋があるのだとか。
僕は部屋で一息ついた後で、シャワーを浴びます。
それから、近くの中華料理屋に出かけて五目そばを食べました。
近くのコンビニで朝食を買い、宿に戻りました。
やれやれ、思ったよりも疲れました。
「明日は晴れるといいな…」と思いながらこの日は就寝しました。
二日目に続く!
Keisuke