本日は富良野に向かう予定でした。
ですが、朝にライダーハウスの近くを散歩していると、近くに青葉公園というところがありました。
敷地は広く、ハイキングコースもあります。
そこには千歳川(wikipedia)という川が流れていて、とても涼しげでした。
ここで絵を描くのもいいかもしれません。
でも、富良野のラベンダーは7月末までが見頃で、8月に入ると刈り取られてしまいます。
あまりぐずぐずしてはいられないのです。
とりあえず、僕は朝食をとってから、予定通りに荷物を持って駅まで歩きました。
でも、駅まで来ると、また迷ってしまいました。
待合室のポスターによると、今日は夜から青葉公園で花火があるとのことです。
せっかくだし見てみたいと思いました。
ラベンダーが心配でしたが、一日くらいなら延期しても大丈夫でしょう。
僕はそう考えて、やっぱり今日は青葉公園で描き、夜は花火を見ることにしました。
僕は駅からライダーハウスまで戻り、出発の準備をしていたライダーと一緒に、おばちゃんの住む母屋へと向かいます。
インターホンを押すと、おばちゃんが戸を開けてくれました。
「今から出発しようと思います。ありがとうございました」と、ライダー。
「気をつけてね。で、あなたは?」
おばちゃんは僕に視線を向けました。
「僕は、やっぱりもう一泊しようと思うんです」
「その大きな筒は何?」
「実は僕、絵を描いているんですよ。で、そこの青葉公園で描こうと思っているんです」
「ふーん。まあ、いいわ。荷物は置いたままでいいから」
「わかりました。ありがとうございます」
僕は青葉公園に向かうと、千歳川を描くことにしました。
この川は支笏湖から流れ出ていて、千歳市街を流れ、最終的に石狩川に繋がっています。
秋には鮭が遡上するそうです。
川の土手は自然のままではなく、段差のある堤防になっています。
ですが、一面が芝生になっているので、人工的な印象は受けません。
水に手を入れてみると、ひんやりと冷たかったです。
水中にはバイカモと呼ばれる藻が生えていました。
この植物は、透明度が高く綺麗な川にしか生息できません。
去年、白馬の姫川源流に行ったときにも、これを見たことを思い出しました。
僕は大きな木の陰に腰を下ろし、スケッチ用具を広げ、イーゼルを立てて描き始めました。
時刻は午前9時半頃です。
描いていると、川に入って釣り竿を垂らしている人が見えました。
何が釣れるのだろうかと思いながら、僕はその姿を絵に描き加えました。
ときどき川をゴムボートが下っていくのが見えました。
アトラクションとして行っているようです。
ここはあまり観光客が来ないので、一人で黙々と描きました。
親子連れで来た子供が、「絵を描いている人がいるよ!」という程度です。
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絵は午後5時頃に完成しました。
思ったよりも時間が掛かってしまいました。
洗濯をしたいし、花火も見たいので、なるべくライダーハウスに早く戻ることにしました。
宿に戻ると、おばちゃんが出迎えてくれました。
「ごめんね、今日はお客さんが多いのよ。だから二階で寝てくれる?」
「わかりました」
僕が荷物を持って二階に上がると、そこには初対面のおじさんのライダーがいました。
彼はコンビニで買った夕食を机に広げています。
僕は彼に挨拶をすると、まず銭湯に行きました。
それから衣類を持って、おばちゃんに教えてもらったコインランドリーに向かいます。
店は宿から歩いて20分ほどの場所にあります。
だらだらと長い坂を上ると、ようやくたどり着きました。
どうして、洗濯一つでここまで苦労しないといけないのでしょうか。
洗濯機に衣類を投入し、その間にすき家で牛丼を食べました。
乾燥を済ませて宿に戻ろうとすると、大きな音が聞こえてきました。
花火が始まったようです。
僕は花火が上がっている青葉公園に急いで歩きました。
ところが、その途中に別の小ぶりの公園もありました。
ここは千歳公園というらしいです。
空が開けて花火の方向に遮るものがないため、とても綺麗に見えます。
地元の住人たちも集まって花火を眺めていました。
僕も公園の芝生に腰を下ろし、ここで見ることにしました。
思ったよりも規模が大きく、特に最後のスターマインは圧巻!
さっそく、この旅の印象に残る出来事に遭遇したと思いました。