5月29日(木) ポンフェラーダ~ビジャフランカ・デル・ビエルソ(23.4km)

ポンフェラーダ~ビジャフランカ・デル・ビエルソ
ポンフェラーダ~ビジャフランカ・デル・ビエルソ

 朝5:40起床。最近は明け方目が覚めてしまい、眠れないので早めに起きてしまう。朝食をとり、7:10出発。空は曇っていた。
 今日はビジャフランカ・デル・ビエルソという町まで行く予定だ。町を出るまで、巡礼路はポンフェラーダの旧市街地を通り抜ける形になる。町の中には12世紀に建てられた城跡があったが、中には時間の都合で入れなかった。

早朝のアルベルゲ
早朝のアルベルゲ
環境問題についてだろうか…
環境問題についてだろうか…
城跡の入り口
城跡の入り口
巨大なタペストリー
巨大なタペストリー

 旧市街地を抜けるところに、自転車に乗った老夫婦が描かれた怪しい壁画があった。その横には文章が書かれ、最後に電話番号が載っていた。これは何かの広告なのだろうか。顔はリアルなのに体は単純化された表現というのがとてもアンバランスで、少しぎょっとするような印象を受けた。でもこれだけ人目を引く絵であれば、少なくとも宣伝効果はあるに違いない。

ポンフェラーダの町並みと時計塔
ポンフェラーダの町並みと時計塔
老夫婦の怪しい壁画
老夫婦の怪しい壁画

 その後郊外の市街地の中を進む。途中には教会の近くにサンタマリア・デ・コンポスティージャと描かれた絵があった。ここだけではなく、巡礼路沿いの建物にはいたるところに壁に絵が描かれているのをよく目にした。その反面スペインでは落書きも多いけれど、壁画と落書きは裏表の関係なのかもしれない。
 ポンフェラーダの町を抜けてしばらく行くと、雨が降ってきたので上着のウインドブレーカーのを着る。雲は厚くないのですぐに止むかなと思ったけれど、その後は降ったり止んだりだった。

教会とマリア像
教会とマリア像
マリアが描かれた壁画
マリアが描かれた壁画
トンネルをくぐる
トンネルをくぐる
聖ヤコブが描かれた壁画
聖ヤコブが描かれた壁画

 9:40頃、カンポナラヤという町で休憩。巡礼路沿いのベンチでバナナとナッツ類を食べていると、家で飼っているのとそっくりの真っ黒な猫がやってきて、餌をねだられた。目つきが悪いのも家の猫とそっくりだった。僕が「餌などやらぬ!」と言ったら悲しそうな顔をしていた。しばらくすると、そこに放し飼いをされていたシェパード犬も寄ってきた。猫は犬に対して威嚇し、犬もそれに対して応戦していた。一連のやり取りを見ているのは面白かったが、ずっと見ていられないので先に進むことにした。

目つき悪いなぁ…
目つき悪いなぁ…
こっちはキリッとしている
こっちはキリッとしている

 その後は森の中やブドウ畑の中を通る。ブドウ畑を見るのは久しぶりだ。以前見たときよりも木が生長しており、葉の数が増えているようだった。
 11:00頃、カカベロスという町で休憩。バルに立ち寄って昼食をとる。メニューの中に野菜のボカディージョがあったので、それを食べることにした。4ユーロだった。注文するとオーナーのおじさんに「出来上がるまで10分待って」と言われたので、カウンターに置かれていたスペイン語の新聞を読みながら待つ。国際面にはオバマさんがどうとか書いてあったが、内容はよくわからなかった。
 10分後に出てきた野菜のボカディージョはとてもおいしかった!ドレッシングがたっぷり掛かっていたので、多少油っぽく、食べている途中で手がべたべたになってしまったけれど。
 バルを出て町の中を歩くと、ひとつの民家の壁には大きな絵が描かれていた。まだ途中までしか仕上がっていなかったが、絵の内容からすると「科学文明から抜け出して自然と調和しないか」という内容だろうか。

昼食のボカディージョ
昼食のボカディージョ
カカベロスの教会の内部
カカベロスの教会の内部
巨大な壁画
巨大な壁画
壁画の未完成部分
壁画の未完成部分

 その後ピエロスの町からビジャフランカ・デル・ビエルソの町まで巡礼路は二つに分岐する。舗装された道とされてない道があり、僕は後者の山道を進んだ。しかしそちらの方向に進むと、周囲には誰も歩いていなかったので不安になった。巡礼路を示す黄色い矢印だけが頼りだ。
 それから赤土のブドウ畑の中を進む。赤土は雨に濡れるとべたべたと靴にまとわり付いてきたので、靴が重くなって非常に歩きにくかった。小さな集落を抜けてしばらく歩いていると、ブドウ畑の丘の上にぽつんとたたずむ白い一軒家を発見。不便かもしれないけれど、こんなところに住んでみたいな、と思った。

ブドウ畑の中を歩く
ブドウ畑の中を歩く
なんだかユニーク
なんだかユニーク
途中の集落の廃屋
途中の集落の廃屋
ブドウ畑の中の一軒屋
ブドウ畑の中の一軒屋

 13:30頃、今日の目的地のビジャフランカ・デル・ビエルソの町に到着。町の入り口にある公営のアルベルゲにチェックインし、ベッドを確保する。
 一段楽したところでシャワーを浴びてさっぱりしようと、シャワー室の扉を開ける(ここの施設はシャワー室とトイレが一体になっていた)。するとシャワー室からはなんとタオルを巻いたおばさんが現れ、とても驚いた様子をしていた。どうやら間違えて女子のシャワー室のほうに入ってしまったようだ。「うわ、トサントスに続いてまたやってしまった!」と思い、僕はあわてて「ソーリー」を連発しながらそこから飛び出した。
 これはもちろん僕の不注意ではあるけれど、入り口の表示もわかりにくいのが原因だった。せめて扉に描かれていた女子であることを示すマークが黒ではなく赤で書かれていれば、もう少しわかりやすかったのに…。
 それから今度はちゃんと間違えずに男子のほうに入ってシャワーを浴び、洗濯をする。今日も雨が降っていたので洗濯物は軒下に干したけれど、多分明日までには乾かないだろうなぁ。それからベッドで一眠りする。
 その後夕食を作ろうと思い、オスピタレロに地図をもらって商店の場所を教えてもらった。商店までは若干距離があった。
 下り坂の途中で、サンティアゴ教会を横目に見ながら歩く。この教会には「贖罪の門」という門があり、病気や怪我などでカミーノを歩くことが難しくなった場合、この門を通ればサンティアゴに着いたのと同様の巡礼証明書が与えられる。現在でも医師の診断書があればそれは可能だ。普段はこの門は閉じられていて、上記の場合に該当する人が現れたときと、聖年の年(6,5,6,11年周期で訪れる)の前日の大晦日のセレモニー中の30分ほどしか開いていない。
 僕が見たときも当然閉まっていたが、この門が開いたとき向こうはどんな風景が広がっているのだろう、と考えてしまった。もしかしたらこの門はワープゾーンになっていて、ここを通ったらサンティアゴまで瞬間移動ができるのかもしれない。まるでどこでもドアのように。
 門の前には小学生くらいの子供たちが集まっていた。彼らは社会科見学の一環なのかもしれない。
 町の中の道は入り組んでいたので、適当に「こっち方向かな?」と思って行ってみたら、偶然商店がある広場の前へ出た。商店に入り、食材を購入。何かパンにつけるものが欲しかったが、ジャムは大きいビンのものしか売っていなかったため、クリームチーズを買った。来た道をたどってアルベルゲに戻る。
 夕食はレトルト食品のラザニアと野菜スープ(粉末をお湯で溶かしたもの)とパン、スモモ。クリームチーズは一パック買ってきてしまったため量が多かった。明日までに食べられるかなぁ。

贖罪の門
贖罪の門
夕食
夕食

 ダイニングの隣の部屋には暖炉があり、宿泊者の洗濯物がそこに干されていた。僕もそこで洗濯物を干したいと思ったが、残念ながらすでに一杯になっており、そのスペースがなかった。
 その後はスケッチに色を塗ったり日記を書いたりして、22:00就寝。

←前の日(フォンセバドン~ポンフェラーダ)
→次の日(ビジャフランカ・デル・ビエルソ~ラ・ファバ)