8月10日(水) 千歳(支笏湖)

今日は支笏湖(しこつこ)に行くことに決めました。

湖行きのバスは一日5便で、最も早いのが9時2分発。
まだ出発までに時間があります。

すると、おばちゃんが声をかけてくれました。
「あなた、絵を描いているんだって?私もねぶたの絵を描いているの。良かったら見る?」

彼女は庭に僕を案内し、ビニールシートをはがして見せてくれました。
僕の身長ほどある大きさの紙に、色鮮やかな絵の具で二体の人物が描かれています。
(どういう物語に登場する人物なのかは、忘れてしまいました)

ねぶたの絵
ねぶたの絵
顔のアップ
顔のアップ

いやぁ、良いものを見ることができました。

それから僕は停留所に向かい、バスに乗りました。
バスは原生林の中を突っ切っていきます。

バスの中
バスの中

終点の停留所を降りると、そこは観光地になっていました。

お土産屋(アイヌの楽器であるムックリや、木彫りの彫刻など)や、飲食店が軒を連ねています。

お土産屋
お土産屋

ゲストハウスの前には、潜水服に着替えている人たちもいました。

今日は天気が良く、日差しも強いです。
遊歩道を歩いていると、支笏湖の湖畔に到着しました。

そこには、貸し出し用のスワンボートが並べられていました。

支笏湖の湖畔
支笏湖の湖畔

湖畔からは、樽前山(たるまえさん)や恵庭岳(えにわだけ)が一望できます。

樽前山は、1909年の噴火によって頂上付近に火山ドームが形成されました。
まるでプリンやババロアを逆さにしたような形をしています。
ちょうど子供の砂場遊びのように、型抜きをして作られたようです。

溶岩ドーム
溶岩ドーム

ただ、湖畔の景色は確かに良いですが、絵を描くにしては少しありきたりです。
とりあえず、候補地の一つとして覚えておくことにします。
他に良い場所はないかと、いろいろな場所を探してみました。

この湖からは、唯一川が流れ出している箇所があります。
その川が以前に描いた千歳川で、ここから千歳市街へと繋がっているようです。

流出場所には赤い鉄橋が架かっています。
過去に軽便鉄道として使われた鉄橋を、そのまま持ってきたそうです。

この橋の上からは、川と湖の両方を眺めることができます。
多くの観光客が足を止めていたので、僕もそこから眺めてみました。

千歳川の始まる場所
千歳川の始まる場所

水は透明度が高く、見事なグリーン色!
中で泳いでいる魚や、底の石までくっきりと見ることができます。
僕はその鮮やかさに感動してしまいました。

川の中の魚
川の中の魚

この湖は、環境省の水質調査で何度も日本一に認定されているのだとか。

僕は、この近くで描く場所はないかと探しました。
すると、ちょうど木陰になっていて、橋と川が両方眺められる場所を見つけました。

木の柵の向こう側なので、少し危ないかもしれません。
でも、十分なスペースは確保されているので、注意していれば川に落ちることはないでしょう。
地面は柔らかい芝生になっています。

僕はここに場所を決め、イーゼルを立てて10時半頃から描き始めました。

描いた場所
描いた場所

まずは広い面積から…ということで、空と川から手を付けます。
空気が乾燥しているのか、空は本州よりも明らかに色が鮮やかです。

鉄橋の構造は複雑だったため、描くのが難しかったです。
橋の上にいる大勢の観光客たちも描いたので、手間がかかってしまいました。

途中経過
途中経過

川の浅いところでは、水遊びをしている子供たちがいます。
親子連れの姿をよく見かけるのは、お盆の週に入っているからでしょうか。

また、川にはカヌーを漕いでいる人や、潜水服を着て水面の下に潜っている人がいました。
僕はその様子を絵に描き加えました。

観光客の会話は、こちらまで届いてきます。
「絵を描いている人がいるねぇ」と、ときどき僕のことが噂されていました。
柵の向こう側で描いているため、わざわざ絵を見に来る人は少なかったのですが。

その中でも、子供が反応を示してくれるのは嬉しいです。
「あの人、めっちゃ絵が上手い!」 と言って、親の元に駆け寄って報告していました。
それを聞くと、僕は思わずニヤリとしてしまいます。

昼食用のおにぎりを食べ、芝生に寝転んで一眠りしてから、また続きを描きました。

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午後5時前に作品は完成しました。

完成した作品
完成した作品
こんな場所で描いていた
こんな場所で描いていた

絵の写真を撮って、後片付けをします。

帰りの最終バスの発車時刻は午後5時45分です。
乗り遅れたらアウトなので、僕は急いでバス停へと戻りました。

バスに乗る
バスに乗る

宿に戻り、銭湯に行ってから夕食をとります。
最後なので、ちょっと贅沢にとんかつを食べました。

とんかつ屋
とんかつ屋
夕食のとんかつ
夕食のとんかつ

この日はライダーたちが多く、宿も一杯になっていました。

また、インドから来ているお客さんも泊まっていました。
今日描いた絵を見せると、とても喜んでくれました。

 

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