8月8日(月) 釧路→池田(移動日)

今日は釧路を立つ日です。

部屋の中
部屋の中

計画では、今日は帯広の「ヤドカリの家」に泊まろうと思っていました。
しかし、富良野でライダーに聞いた話では、「蜂の宿」と同じような雰囲気とのこと。
(調べたところによると、現在は管理人が変わって綺麗になったそうです)

僕はそれを敬遠して、帯広の手前にある池田の「ライダーハウス一福」に泊まることにしました。

実は、ここにも10年前に泊まったことがあります。
朝、予約の電話をすると、女性の声で泊まってもいいとのことです。

荷物をまとめ、宿を出る前におばちゃんに挨拶をしました。

「6日間、ありがとうございました」
「こちらこそ。今日はどこに行くの?」
「池田まで行こうと思います」
「そう。それじゃ、気をつけてね」

銀鱗荘を出発
銀鱗荘を出発

発車時刻は10時11分発です。
それほど急がなくてもいいため、乗る前に駅前の「和商」という市場に行きました。

和商の入り口
和商の入り口

ここでは100店舗近くの店が並び、海産物を初めとするさまざまな食材が販売されています。
芸能人や有名人のサインなども飾られていました。

さまざまな食材が売られている
さまざまな食材が売られている
カニの水槽
カニの水槽

出発の時間が近づいてきたので、ホームへと向かいます。

電車に乗る
電車に乗る

釧路駅を出ると雨が降り出し、外の景色は白く霞んでいました。
海も真っ白でほとんど見えません。

海も真っ白
海も真っ白

3時間ほどで池田駅に到着しました。
雨は止み、晴れ間も覗いています。

この町はワインが有名で、山の上には池田ワイン城という施設があります。
駅前にはワイングラスを模した噴水が置かれています。

池田駅の前
池田駅の前

また、ドリームズカムトゥルーのボーカルの吉田さんの出身地でもあります。
駅の待合室には、「晴れたらいいね」の歌詞が書かれたポスターが貼られていました。

「晴れたらいいね」のポスター
「晴れたらいいね」のポスター

しかし、駅前はシャッターを閉めている店が多く、かなり寂れています。
池田駅と北見駅を結ぶ「ふるさと銀河線」も、2006年に廃止になりました。
北海道の地方都市は、徐々に衰退しているのでしょうか。

昼食がまだだったので、軽食を売っている店を探しましたが、見つかりません。
一軒の店舗に入って聞くと、少し歩くとコンビニがあるとのこと。
僕はそこで冷やし中華を買って食べました。

それから、ライダーハウス一福まで歩きます。

ライダーハウス一福
ライダーハウス一福

建物には鍵が掛けられておらず、入ることができました。
「ごめんください…」と、僕は声をかけたのですが、誰もいません。

居間の机の上には、名前を書くノートと、宿泊費の300円を入れる缶が置かれていました。
とりあえず、名前を書いて支払っておきます。

部屋に荷物を置いて、テレビを眺めました。
天気予報によると、やっぱり台風が近づいているとのこと。
うむむ…どうしよう。

僕はテレビから流れてくる天皇陛下のお言葉を聞き、しばらく横になりました。
すると、そこに坊主頭の男性が現れました。

「ああ、暑い暑い」
彼はそう言いながら、ばたばたと家中を回って窓を全開にします。

彼は長い間、ここに宿泊しているのだそうです。
この宿について、いろいろなことを教えてくれました。

「この近くで、食事するところはありますか?」と、僕は尋ねました。
「今は駅前に行かないとないんだよ。
 前は、ここのオーナーが目の前で飲食店を経営していたんだけど、今は入院しているんだ。
 まさか、ここで食料難民になるとは思わなかったよ」

そのため、今はほとんど宿に電話が繋がらないとのこと。
僕が予約を取ることができたのは、たまたまだったのかもしれません。
この宿も、いつ閉めてもおかしくないのかもしれない…と思いました。

男性が立ち去ると、今度はパーマをかけた女性が現れました。
彼女はバイクで旅行しいるそうで、かなりワイルドな人です。

しばらくしてから、彼女もどこかに行ってしまったので、僕も町を散歩することにしました。
池田ワイン城に行こうか…とも思いましたが、いまいち気が進みません。

僕は駅の待合室まで来ると、ベンチに腰掛けて今後の予定について考えました。

10日にフェリーに乗れば、11日に大洗で父親の車に乗せてもらえます。
茨城の鹿嶋に住んでいる父親が、ちょうどその日に実家のある横浜に用事があるためです。

ただ、台風の影響で、もう一日延ばした方がいいかもしれません。
その場合は大洗から電車で帰る必要があるし、交通費もかかってしまいます。

僕は駅の待合室で迷ったあげく、やはり一日延ばすことにしました。
僕はそのことを家族に電話して伝え、次にフェリー会社に連絡しました。

いったん宿に戻ってから、また駅前まで歩き、レストランで夕食をとりました。
メニューは帯広名物の豚丼です。

豚丼
豚丼

駅前の噴水はライトアップされていました。

ライトアップされた噴水
ライトアップされた噴水

次に、「清見温泉」に行くことにしました。
宿泊者が多い場合は車に乗せてもらえるのですが、今日は少ないので歩いて向かいます。
坂道を登り、宿から20分ほど歩くと到着しました。

温泉の入り口
温泉の入り口

なかなかいいお湯でした。

宿に戻ると、坊主頭の男性とパーマの女性に加えて、初対面のおじさんがいました。
彼らは居間で酒を飲みながら話をしています。
僕もそれに加わることにしました。

おじさんは僕と同じで、青春18きっぷで北海道を回っているんだとか。

「北海道は何しに来たの?」と、おじさんは僕に尋ねました。
「実は、僕は絵を描いているんですよ。10月に個展を開くつもりなので」
「え、本当?見せてほしいな」

僕は気恥ずかしかったのですが、思い切って筒から取り出して見せることにしました。
みんなも僕の絵の周りに集まってきます。

端が丸まってしまうので、足で押さえながら見せます。
「そうやって足で押さえているのがいいね。額に入れて飾るよりも味がある気がする」
そう言っていたのは、見せてほしいと言っていたおじさんでした。

「俺には美術のセンスはないけど、凄いっているのはわかるな」
坊主頭の男性は、そう言っていました。

なかなか好評で嬉しかったです。

明日の朝も早いため、僕は夜10時頃に二階に上がり、寝ることにしました。

 

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