8月6日(土) 釧路(臨港線)

今日は、それほど早く起きなくても良い日でした。

食堂で朝食をとり、出発の準備をします。
部屋を移ってくれと言われていたので、荷物をまとめました。

同じ部屋に泊まっている人によると、台風が近づいているとのこと。
もしかしたら、10日に乗る帰りのフェリーに直撃するかも知れません。
うーん、どうしようかなぁ。

とりあえず、今日は釧路埼灯台に足を運ぶことにしました。
一昨日描いた厳島神社の近くです。

実は、一昨日「描かせてください」と書き置きをした家の人から連絡があり、許可を頂いていたのです。
返事が頂けるとは思ってもいなかったので、とてもありがたく思いました。

幣舞橋を渡り、現場に向かいます。
今日もお祭りの期間中で、釧路川ではボートレースが行われていました。

ボートレース
ボートレース

10時半頃に、釧路埼灯台近くの現場に到着しました。

釧路埼灯台
釧路埼灯台

家の呼び鈴をさっそく押すと、40歳くらいの男性が出迎えてくれました。
頭は坊主で、あご髭を生やしています。

「こんにちは。一昨日、庭で描かせて頂きたいと連絡をした木庭と言います」
「あ、よろしく。場所はどの辺り?」
「その崖の近くです」
「わかった。じゃあ、描いていいよ」
「ありがとうございます!」

僕は庭に荷物を広げると、さっそく描き始めました。

今日は雲一つない快晴で、日陰もないためかなり暑いです。
遠くには、キラキラと光る海が見えます。

描いた場所
描いた場所

眼下には、海沿いに高架橋の線路が見えました。
これは「臨港線」と呼ばれ、釧路で唯一の石炭を運ぶ路線です。

ときどき、高架橋の上にディーゼル車に引かれた貨物列車がやってきます。
荷台の底が開くと、細かい石炭が橋の下に落ちていきます。
遠隔操作のボタンを押すと、荷台の底が開く仕組みなのでしょうか。

橋の下には石炭の山ができていました。

貨物列車
貨物列車
ディーゼル車
ディーゼル車

ここにはトイレが近くにないので、米町公園まで行く必要がありました。
ついでに公園の東屋でお昼を食べ、一眠りします。
少し休んでから、また戻って描き進めました。

途中経過
途中経過

しばらくすると、家主さんが現れました。
「これから家族で出かけてしまうから、終わったら片付けて帰っていいよ」
「わかりました。ありがとうございます!」

彼らが出発する前に僕は名刺を差し出すと、彼も名刺を渡してくれました。
彼は釧路市内でレストランを経営しているのだとか。

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絵は午後4時半頃に完成しました。

完成した絵
完成した絵

荷物を片付けて、現場をあとにします。

電柱の上のカモメ
電柱の上のカモメ

僕は早めに宿に戻ろうと思っていました。
しかし、お祭りの様子を眺めたり、画材屋で物色しているうちに時間が経ってしまいました。

太鼓を叩く人たち
太鼓を叩く人たち

僕は初日に食べた駅前の食堂に入り、チキンカツ定食を食べました。

チキンカツ定食
チキンカツ定食

午後8時過ぎに、ようやく宿に戻りました。

「すみません。遅くなりました」
「今日はお客さんが多いから、昨日とは別の部屋を使って。荷物はもう移しておいたわよ」
「ありがとうございます」

今日は祭りの屋台を出している人も泊まっているので、その分混雑しているようです。

お風呂に入ってから食堂に行くと、そこには若い女性と男性が話をしていました。
僕もそこに腰掛けて、話をすることにしました。

女性は自転車で日本中を旅しているそうです。

「もう出発してから200日以上経つのかな。もちろん、途中で休んだり働いたりしていますけどね」
「そんなに長く旅をしているなんて凄いですね!」と、僕。
「みんなそう言うんですけど、私はそう思っていないんですよ。ひたすら目的地を目指して漕ぐだけでいいんですから」
「いやいや、それでも凄いですよ」

彼女はとても腕の太い人で、腕相撲をしたら負けそうでした。

 

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