この日は、海沿いの米町(よねまち)地区に行ってみました。
ここには「米町公園」という場所があり、良さそうだったらここで描こうと思っていたのです。
朝食をとり、歩いて公園まで向かいます。
幣舞橋を渡って、宿から40分ほどで米町公園に到着しました。
ここは高台にあり、灯台の形を模した展望台からは釧路の街が一望できます。
また、石川啄木は釧路の街に滞在したことがあったため、彼の歌碑も置かれていました。
ここも悪くなかったのですが、もう少し良い場所もありそうです。
近くをうろうろしていると、「厳島(いつくしま)神社」という場所を見つけました。
たしか、厳島神社は広島にあったはずです。
何か関わりがあるのだろうかと思っていると、案内板では広島から分霊されたことが説明されていました。
拝殿の両側には、七夕の笹が飾り付けられています。
もうとっくに終わったはずなのに?と思いましたが、もしかしたら旧暦なのかもしれません。
拝殿側から見ると、参道は下り坂になっています。
木漏れ日が綺麗なので、僕はここで描くことに決めました。
お参りをしてから、イーゼルを立てて午前9時過ぎに描き始めました。
ここは暑くも寒くもなく、蚊を初めとする虫もいないので、非常に快適な場所でした。
また、ほとんど観光客も来ないため、辺りは静かです。
カモメの鳴き声が聞こえてこないと、海のそばにいることも忘れてしまいそうです。
参道の向こうから人が来たので、その姿も描き加えました。
途中、米町公園のトイレに立ち寄りました。
ここの洗面所は、蛇口をひねるのではなくボタン式でした。
黒い丸型のボタンを押すと、ごぽごぽと水道管から水が上がってくる音が聞こえてきます。
しばらくすると、勢いよく水が出てきました。
おそらく、冬場は水道管の水が凍結してしまうため、夏場でもいちいち水を抜いているのでしょう。
そんなことに感心をしながら、僕は描き進めました。
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午後4時半過ぎに、絵は完成しました。
木漏れ日と空気の爽やかさを表現したかったのですが…上手くいっているでしょうか。
最後に神社にもう一度お参りし、社務所でおみくじを引きました(吉でした)。
さて、この近くには、僕がどうしても気になっていた場所がありました。
それは、公園の先にある釧路埼灯台です。
僕は、この場所が良さそうだったら絵を描こうと考えていました。
明日は、また釧路湿原に行こうと思っていたので、行くなら明後日です。
せっかくここまで来たんだから、ちょっと下見をしてから帰りたいなぁ…。
でも、帰りが遅くなってしまうかなぁ…。
僕は迷いましたが、せっかくだから行ってみることにしました。
宿とは逆方向に歩き、釧路埼灯台に到着しました。
灯台は一般的な円筒形ではなく、普通のビルのような建物でした。
外壁に塗られた赤と白のペイントが鮮やかです。
中には入れないようですね。
灯台の先は崖になっており、そこから海や線路が一望できます。
そこには崖に突き出すように一軒の民家がありました。
その庭から見える景色は、とても良さそうです。
そこで描けないだろうか…と思いましたが、今は留守にしているようです。
僕は玄関のポストに、自己紹介文と連絡先、そして「庭で絵を描かせて頂けますか」と書いた紙を入れました。
とはいえ、かなり図々しいお願いかもしれませんし、連絡が来る可能性は低いでしょう。
その場合は、別の場所で描くしかありません。
日が暮れてきたので、急いで歩いて宿まで戻ります。
幣舞橋まで来ると、ちょうどオレンジ色の街灯が川に映り込んでいて、とても綺麗でした。
僕は宿に戻る前に、昨日訪れた「港の屋台」で夕食をとることにしました。
今日は「江戸っ子」という店で、焼き魚定食を頼みました。
魚はカレイでした。おいしかったです。
この日は、午後8時過ぎにようやく宿に戻りました。
かなり歩いたので、疲れる一日でした。