6月11日(水) フィステーラ~サンティアゴ・デ・コンポステーラ(バス移動)

 今日の朝はそれほど早く起きなくてもいいけれど、いつも通り6:00過ぎには目覚めてしまった。
朝食をとろうとしたけれど、キッチン・ダイニングは鍵がかかっていて開けられない。仕方がないので宿の外へ出て港に面したベンチで朝食をとる。僕が食べていると、そこにカモメがわらわらと集まってきた。空気はまだ冷たいが、港の向こうから昇ってきた朝日がすごく綺麗だった。

夜明け前
夜明け前
早朝のフィステーラの町並み
早朝のフィステーラの町並み
カモメが集まってきた
カモメが集まってきた
朝日が昇ってきた
朝日が昇ってきた

 その後宿に戻ったが特にもうすることもないので、一本早い8:30発のバスに乗ることにすることにした。しかし、今思うとそこまで焦ってサンティアゴに戻る必要はなかったかもしれない。フィステーラの町を散歩するとか、そのぐらいの余裕はあっても良かったのではないかと思う。
 外のレストランで朝食を食べていたヤンさんに一本早いバスに乗ることを伝え、連絡先を交換してバスを待っている巡礼者の列に並んだ。

きちんとたたんで出発
きちんとたたんで出発
バス停の前には長蛇の列
バス停の前には長蛇の列

 バス停の前にはもうすでにたくさんの巡礼者が並んでいた。サンティアゴまでのバスが来ると、みんな我先にとバスに乗り込むので大混雑。僕はチケットを用意していたので優先的に乗り込むことができた。持っていない人はその場で買うようだ。
 リュックは本来バスの下の収納スペースに入れないといけないところだったが、僕はバスの中に持ち込んでしまった。戻るにも入り口が大混雑していたのでそれは不可能で、結局足元にリュックを置くことになってしまった。ちなみにリュックには昨日買った新しいバンダナをくくりつけている。新しく買ったのはこのためだ。
 僕の隣の席は女の子がペットボトルを置いていて席を取っていた。彼女によると友達が後から乗り込むのだという。しかし待っても一向にその友達が現れないので、彼女はしぶしぶペットボトルを片付けていた。
 バスが満員になったところで出発。曲がりくねった海岸沿いの道をバスは走っていく。日陰になると思って左側の席に座ったけれど、右側の席のほうが、海が見えてよかったかもしれない。実際にはあまり日陰にならなかったし。
 途中しばらくうとうとしてしまったようだ。しばらく行くとバスは海岸沿いの道を離れ、高速道路に入った。バスは10:50頃にサンティアゴのバスターミナルに到着。サンティアゴのインフォメーションセンターでは3時間かかると聞いていたので、予定より早く到着することができたようだ。
 しかし、ここは一体サンティアゴ市内のどこなのだろうか。地図も町の中に見当たらなかったのでしばらくうろうろしていたら、交番のようなところを見つけたので聞いてみた。彼らに話を聞くと、僕が思っていたところと全然違っていて、目の前の大通りを真っ直ぐ行けばカテドラルに着くのだという。
 11:20頃カテドラルの前に戻ってきた。その近くのレストランで食事をする。初めてサンティアゴに来たときに江川さんと一緒に昼食をとったときのレストランだ。僕はそこでメルルーサの一皿料理を頼んだ。ミサが12:00からなので、レストランは閑散としていた。

サンティアゴに戻ってきた
サンティアゴに戻ってきた
メルルーサの料理
メルルーサの料理
園芸洋品店
園芸洋品店
アーケードの中
アーケードの中

 その後予約しておいたアルベルゲに向かい、宿泊の手続きをする。13:30まで部屋が開いていないので、その間ダイニングで日記を書いた。テレビでは過去にスペインのキャンプ場で起きた水害のニュースを伝えていた。
 オープンの時間になったので、個室の部屋に向かう。そこで一眠りした後、そろそろ日本に帰る準備をしなくちゃと思って着手することにした。メモ帳にリストとして書いておいたのは次の3つだ。
1.航空会社に電話して予約の再確認
2.マドリッドのオスタルに電話して予約の再確認
3.サンティアゴからマドリッドまでのレンフェのチケットの確認
 うーむ、どれもやりたくないことばかりだ。事務的な会話は僕がもっとも苦手とするところだった。でもそうも言ってられない。
 まずは航空会社に電話して、ちゃんと予約が取れているか確認。「日本語で話せますか?」と聞いたらちゃんと日本語で対応してくれた。ちゃんと予約が取れていたので一安心。
 その後マドリッドのオスタルに電話しようと思ったが、その内容を僕はスペイン語で伝えられないので、代わりに受付の人に電話してもらう。良かった。ちゃんと確認できた。
 ロビーでヤンさんと再会した。彼も今日はこのアルベルゲに泊まるようだ。彼は朝食をとった後、フィステーラの海岸に行って散歩したらしい。とても海の水が綺麗で、彼はそこでタコを捕まえたようだ。彼はiPhoneで撮った写真を見せてくれた。
 その後受付で駅の場所を聞き、そちらに向かう。受付の人は「駅坂を下りて右に進むと駅があるわ」と教えてくれた。歩いて15分程度らしい。しかし僕は話をちゃんと聞いておらず、坂を下りて左に進んでしまった。途中でおかしいことに気づき、車の修理工場で聞き、逆方向に戻ることにした。
 駅に到着し、チケットの予約ができているか確認。自分が日本で印刷したものと引き換えにチケットをもらうのだと思ったら、印刷したそのものがチケットになるのだと言う。駅員に「何か問題でも?」という顔をされた。
 その後宿に戻り、しばらくしてから夕食をとるためにまたカテドラルに向かった。カテドラルの周りにはお土産の販売店や、飲食店が立ち並んでいた。僕はそれらのショーウィンドーを眺めながら歩いた。
 それから先ほどお昼を食べたのと同じレストランで「カルド・ガジェッゴ(ガリシア風スープ)」と鮭料理を頼む。スープは日本人の舌に合って、素朴な味でおいしかった。調子に乗って「カニャ・コン・リモン」をおかわりしたら、追加料金を取られてしまった。

銀細工のショーウィンドー
銀細工のショーウィンドー
エビの水槽
エビの水槽
カルド・ガジェッゴ
カルド・ガジェッゴ
鮭料理
鮭料理

 レストランの窓からは、先女の子がカテドラルのイラストを描いていた。どうやら絵を印刷して絵葉書にして売っているらしく、そこにはさまざまな絵葉書が飾られていた。そのうちの一枚には、「Don’t forget yellow arrows in your life(あなたの人生の黄色い矢印を忘れないで)」と書かれていて、印象に残った。しかし一枚2.5ユーロと高めだったので、写真だけ撮ったものの結局買わないことにした。

モニュメントの上に立つカモメ
モニュメントの上に立つカモメ
販売されている絵葉書
販売されている絵葉書

 その後お土産屋を物色。杖と本を持っている聖ヤコブ像の置物と、丸いガラスの中の液体に入ったカテドラルの置物を買った。お土産屋ではTシャツが売られていて、その中の一つには傷だらけの足裏のイラストと一緒に、「No pain,No gain(痛みがなければ得られるものはない)」と書かれてあった。先ほど絵葉書に書いてあった言葉と一緒に、頭の片隅にとどめておこう。
 その後は以前江川さんと一緒に道を聞いたパン屋さんで、明日の朝食と昼食、それにお土産として小さいタルタ・デ・サンティアゴを二つ買う。昼食用にはパイを買った。駅で売っていないことを考えて今買っておいたけれど、十中八九は何か売っているだろうし、心配のしすぎなのかもなぁ。
 ここに来てだんだん心配性の虫が復活してきた。それはちゃんと日本に帰れるか、不安に感じ始めているからかもしれない。
 21:00頃宿に戻り、買ってきたパイを冷蔵庫に入れた後、22:00頃就寝。

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