5月12日(月) ブルゴス~ラベ・デ・ラス・カルサーダス(13.3km)

ブルゴス~ラベ・デ・ラス・カルサーダス
ブルゴス~ラベ・デ・ラス・カルサーダス

 6:00起床。チカさんとユウタさんに挨拶をして、6:30出発。
昨日ユウタさんとワインを飲んだバルがこの時間にはもうオープンしていたので、そこに立ち寄って朝食をとる。お腹が空いていたのでいろいろ注文して食べていたら、会計のレシートには8ユーロ請求されていて驚いた。せめて食べ物の値段が表示されていれば節制したのに。
 その後絵を描こうと思っていろいろな場所を探す。なかなかいい場所が見つからず、しばらく街の中をうろうろする。結局大聖堂の前の広場で絵を描こうと思って、ベンチの前で座ってみたけれど、実際に描き始めるとめちゃ難しい!昨日からある程度予想していたけれど、細かい装飾が描けない!そしてじっとしていると寒い!しかも途中から日が差してきて逆光になったので、細かい部分がよくわからない!
 とりあえず適当に線画だけ済ませて、色塗りは後回しにする。後から色を塗れるように、現地の写真を撮っておいた。全体的に奥行きがなく平板な印象で、あまり満足な出来ではなかった。ブルゴスは大きな町なので、記念に一枚描いておきたかったが、この街で描こうと前もって決めていると、かえってあまり良い絵が描けないのかもしれない。

朝のカテドラル
朝のカテドラル
カテドラルのスケッチ(後日加筆あり)
カテドラルのスケッチ(後日加筆あり)
広場の前の噴水
広場の前の噴水
相変わらずの大きさ
相変わらずの大きさ

 その後お金を下ろそうと思って昨日閉まっていた銀行に入る。僕は銀行の窓口の職員に「ATMはどこですか?」と英語で聞いたけれど、彼は英語がわからなかったようだ。そうしたら彼はパソコンでグーグルの翻訳サイトを立ち上げて、「これに打ち込んでくれ」と指図したので、僕が「ATM」と打ち込むと見事翻訳された。さすがグーグル。彼は「ATMは銀行の裏手の通りに面したところにある」と教えてくれた。スペイン語では「Telebanco(テレバンコ)」というらしい。
 持っていたカードが使えるかどうか心配だったが、何の問題もなくお金を下ろすことが出来た。この先レオンまであまり大きな街がないので、多めに引き出しておいた。しかしこれが後々問題になるのだが・・・。
 帽子も欲しかったが結局10時を過ぎても帽子屋が開く気配がなく、痺れを切らした僕は買わずにブルゴスを出ることを決めた。パン屋さんで菓子パンと水を買って出発。
 街を出るため再度カテドラルの近くを通ると、そこにいた韓国のおじさんに「教会の前で私の写真を撮ってくれ」と頼まれる。彼に「教会の全体が入るように」と言われたので、「あなたがとても小さくなってしまうけどいいですか?」と聞いたら「いいんだ、この教会の大きさを伝えたいんだ」とのことだった。
 その後市街地をひたすら進む。ブルゴスは大きな街だったので、旧市街地を抜けてもその外に新市街地が広がっており、なかなか抜けることができなかった。道の途中に大学がある。とても古い建物だ。こんなところで勉強ができたらどんなにいいことだろう。

コウノトリの巣
コウノトリの巣
古い民家
古い民家
木立の中を抜けて
木立の中を抜けて
ブルゴス大学の入り口
ブルゴス大学の入り口

 歩いている途中、スペインの男性と一緒になった。彼は僕と同じようなところで写真を撮っていた。挨拶して話をすると、彼はブルゴスから歩き始めて、今日が一日目であるらしいことがわかった。何回かに分けて歩く予定だそうだ。
 ブルゴスの市街地を出ると、いつも通り周囲には麦畑が広がっていた。鉄塔や風力発電の風車の写真を撮りながら歩く。日差しが強く、暑くなってきたので長袖のTシャツ一枚になる。

特徴的な形の鉄塔
特徴的な形の鉄塔
遠くでは風車が回っている
遠くでは風車が回っている

 途中で高架になっている線路があり、そこをレンフェの列車が走っているのが見えた。もしかしたら行きの電車の中で見たのはここだったのかもしれない。これに乗ればあっという間にサンティアゴに着くことができるのに、なぜわざわざ僕を含む巡礼者は手間をかけて歩いているんだろう。しかし列車に乗ったのでは、すでにそれはカミーノではなくなってしまうけれど。

レンフェが通る線路の架線
レンフェが通る線路の架線
空はどこまでも青い
空はどこまでも青い

 アリランソン川を渡り、そこから少し歩いた先のタルダホスという町の手前で、韓国の若い男性と話をした。彼は今日ここから10km以上先のオルニージョス・デル・カミーノという町まで歩く予定だと言う。本当はもっと朝早く出発できたらいいのだけど、どうしても出発が7:30か8:00くらいになってしまうそうだ。彼は「まだここから距離があるので、今日は到着が16:00くらいになってしまうかもしれない」と言っていた。
 彼は流暢な英語を話していたので、僕が「英語が上手いね」と言ったら、彼は「学校で習うレベルしか話せないけどね。それを言うんだったら、君の英語だって上手いよ」と言ってくれた。
 タルダホスの町に着いたのが13:00頃。僕はここで休憩し、韓国から来た人は先に進んでいった。巡礼路沿いのベンチに座ってバナナを食べる。それからここに宿泊するにはまだ少し時間が早かったので、もう少し先に進んでみることにした。
 そのまま国道120号線沿いの道を進んでいると、自転車に乗った向こうから来た女性に「こっちの道は黄色い矢印がないわ!」と言われる。どうやら彼女は途中で道を間違えていたことに気づき、こちらに引き返してきたらしい。僕はリュックから地図を取りだして、彼女と一緒に確認した。それによると、タルダホスの町に入るまでは国道沿いに進むけれど、町の中に入ってからは国道を外れ、左に曲がるポイントがあるらしい。どうやら僕たちはそこを見落としてしまったようだった。あわてて二人で引き返して間違えたポイントまで戻り、正しい道を行く。分岐点にはちゃんと大きな矢印が描かれ、巡礼者たちがそちらに向かっていた。どうして見落としてしまったのだろう。
 その後ドイツの人と一緒になったのでしばらく歩いていたが、なんだか途中から怒ったような口ぶりになった。何であんなに怒っていたんだろう。彼は僕の受け答えに満足しなかったのだろうか。
 そこからまたしばらく歩き、今日の目的地のラベ・デ・ラス・カルサーダスの町に着いたのが13:40頃。ブルゴスとは打って変わって小さな町だ。24人まで宿泊可能の私営のアルベルゲにチェックインを済ませ、オスピタレロに部屋まで案内される。部屋は4つあり、一部屋には6台のベッドが並べられていた。部屋のベッドはすでに一杯になっていたが、オスピタレロが折りたたみ式のベッドを用意して、部屋の中央、窓の下の空きスペースに僕のベッドを置いてくれた。
 その後洗濯をしようと思ったら、ジャージのズボンがなくなっていることに気づいた。昨日ブルゴスで洗濯物を干しているときに誰かが間違えて持っていってしまったのかもしれない(まさか盗む人はいないと思うし・・・)。ブルゴスのアルベルゲに連絡を取り、ジャージの忘れ物がないか確認しようと思ったが、そもそもアルベルゲの連絡先がわからなかったので、結局あきらめることにしてしまった。一応ジャージのズボンは二着持っていたので、一着なくなったとしてももう一着持っているので大丈夫だ。それとは別にハーフパンツも持っているし、荷物が少し軽くなったと思うことにする。

町の中の噴水(ちょっと不気味…)
町の中の噴水(ちょっと不気味…)
宿には数独の本が置かれていた
宿には数独の本が置かれていた

 ここのアルベルゲは一泊二食付き。夕食は僕を含めた10人ほどの巡礼者たちがテーブルを囲んで食事をした。サラダやスープなどの家庭的な料理が出され、どれも非常においしかった。なんだかここまでやってくれて申し訳ないくらいだった。しかし今日の宿泊客はドイツ人が多く、彼らの言葉はほどんど理解できなかった。また、年配の人が多かった印象だ。
 夕食の時間が早かったので、今日は少し早めの21:00に寝ることにした。僕のベッドの隣には英国の夫妻がすでに寝袋に入って横になっていた。二段ベッドの下段はおじさんが、上段はその奥さんが使っていた。僕が寝るときに、おじさんに「換気のために少し窓を開けておいてくれ」と言われたけれど、窓が僕のベッドの真上にあるので隙間風が寒く、僕は彼が寝たのを見計らって窓を閉めてしまった。
 しかし、そのおじさんのいびきがすごくて眠れない。いびきと言うよりも呼吸するのが苦しそうで、不安になるような息の仕方だった。彼の呼吸はときどき止まるときがあり、もしかしたら何かの病気なのかもしれないと思った。これでは本人が一番熟睡できないのではないだろうか。僕が特に気になったのはその大きさというよりも、不定期な呼吸のリズムのほうだった。
 それを聞いた僕は少しうとうとしても、またはっと起きてしまう。耳栓もしていたのだが、ほとんど効果がないくらいだった。近くに教会があり、10時、11時、12時・・・と鐘を打つ音が聞こえてきた。だんだん眠れないことに焦り、かなりイライラしてしまった。
 夜中にあまりにも眠れないので、寝袋を持って寝室から出て、台所に行って寝ようとした。そこには誰もいないと思っていたのだが、中に入ってみるとマットレスを敷いて眠っている女性がいた。彼女はオスピタレロなのかもしれない。
 出来るだけ物音を立てないようにしていたが、僕が来たことで彼女は起きてしまったようだ。彼女は「マットレスはいる?」と聞いてきたが、できるだけ迷惑をかけたくないと思い、断ってしまった。それでも床の上に直に寝袋で寝るのは背中が痛いし、ひんやりとする。結局そこでは眠れなかったので、また部屋に戻って寝ることにした。

←前の日(アヘス~ブルゴス)
→次の日(ラベ・デ・ラス・カルサーダス~カストロへリス)