5月8日(木) トサントス(0.0km)

 朝起きるとやっぱりまだのどが痛く、少し熱もあるようだった。僕はどうしようか迷ったが、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーのアルベルゲのエリックさんに、「君の体と相談して、決して無理をするな」と言われたことを思い出して、今日は一日宿で休むことにした。
 僕はオスピタレロに事情を説明し、「そういうことならわかった」と了解をもらう。アルベルゲでは基本的に連泊は認められていないが、体調が悪かったりするときなどは例外で、連泊が可能だ。
 僕は「体温計があれば欲しい」ということを言ったが、それはアルベルゲに置いていなかった。みんながばたばたと出て行った後、静まり返ったアルベルゲの中で一人寝ていた。どうやら疲れていたらしく、日本から持ってきていた風邪薬を飲むとぐっすり眠ってしまった。
 12:30頃、オスピタレロの一人が二階に上がってくる。「あと10分くらいで昼食が出来るから、降りてきて食べに来い」とのこと。10分後に部屋を出てキッチンに行くと、そこにはフライパンで炒めた料理がお皿に盛られていた。それから彼らと一緒に昼食をご馳走になった。料理は太いソーセージをネギと一緒に炒めたもので、これはドイツ風の料理であるらしい。
 ここトサントスのアルベルゲは二人のオスピタレロによって切り盛りされていた。一人は丸顔でメガネをかけた中年の男性。もう一人は銀髪で少し強面のやや高齢の男性だ。どうやら彼らは両方ともドイツ出身のようだった。メガネの男性に「体調はどうだ?」と聞かれたので「朝よりは少し良くなっていると思います」と答えた。
 その後はまた薬を飲んでひたすら寝る。午後から新しい人が入ってきて、少しにぎやかになったが、僕はそんなことお構いなしに寝ていた。
 夕食はまたパスタとサラダ。少し体調が良くなったので夕食を手伝う。今日は断水してないようだ。夕食後はほとんどの人はお祈りに行ってしまったので、僕は残った女性の人と二人でひたすら皿洗いをしていた。
 日中こんなに眠ってしまったので、夜眠れるか心配したが、ちゃんと眠ることが出来た。やっぱり疲れがたまっていたようだ。

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