8月2日(火) 美瑛→釧路(移動日)

今日は釧路に向かう日です。

他の男性客を起こさないようにしながら、荷物をまとめてライダーハウスを後にしました。

ライダーハウス丘に別れを告げる
ライダーハウス丘に別れを告げる

美瑛駅まで40分かけて歩きます。

農道を歩く
農道を歩く

駅に到着し、8時21分発の電車に乗りました。

電車がやってきた
電車がやってきた

電車は30分ほどで富良野駅に着きました。
ここで少し待つ必要がありますが、直通運転で帯広まで行けます。

僕は発車まで車内で待機しました。
すると、駅員さんに「この車両は切り離すので、前に移ってください」と言われました。

ここから先は二両から一両編成に変更になります。

ここで切り離し
ここで切り離し

それでも、車内は一杯になることはなく、まだ席に余裕がありました。

JR北海道の経営は厳しいと聞いています。
やはり、今後はますますローカル線は廃止になったり、本数が大幅に減らされてしまうのでしょうか。

電車は9時23分に富良野駅を出発しました。
今日は天気が良く、北海道らしい雄大な景色が車窓を流れていきます。

この電車で特に目立ったのが、以前に旭川に向かう車内でも遭遇した、「乗り鉄」「撮り鉄」と呼ばれる電車オタクの人たちでした。

JR北海道の起死回生を狙えるのは、もしかしたら彼らなのかもしれません。

「山部駅」というところで電車は一旦停止したので、僕は外に出て写真を撮りました。

山部駅からの眺め
山部駅からの眺め
山部駅
山部駅
山部駅の構内
山部駅の構内

電車は徐々に高度を上げていき、まるで空の上を飛んでいるかのようです。
長いトンネルを抜けると空気が一変し、窓ガラスが急に曇りました。

車窓の風景
車窓の風景

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11時34分に帯広駅に到着しました。

次の電車は約一時間待ちです。
僕は改札を出て、休憩所でコンビニで買ったパンを食べました。

帯広駅
帯広駅

根室本線の釧路行き電車も、一両編成のワンマン車両でした。

根室本線
根室本線

ここからは3時間半、ずっと同じ電車に乗りっぱなしです。

車内にはクーラーがなく、頭上でやる気のない扇風機が回っているだけです。
あまりの暑さにくらくらしてしまいましたが、電車が走り出すと窓から涼しい風が吹き込んできました。

帯広から数駅離れると、車内は急にがらがらになりました。
僕は四人用のボックス席に一人で腰掛け、外の景色を眺めました。

僕と同じく、周囲にはマイペースな旅を楽しんでいる人が多いようです。
通路を挟んで僕の隣に座っているおじさんは、完全にリラックスムード。
彼は靴を脱ぎ、向かい合わせの座席に足を伸ばして乗せ、ビールを開けておつまみを食べています。

僕も真似して靴を脱ぎ、座席に足を乗せました。
足の匂いはかがないでね…。

この辺りは、いわば「秘境駅」と呼ばれる、誰も乗り降りしない小さな駅が続いています。

途中で「上厚内(かみあつない)」という駅に着きました。
ここでは7分間停車したので、僕は列車から降りました。

上厚内駅
上厚内駅

ここは古い木造の駅舎で、引き戸を開けると待合室になっています。
鉄道ファンの人も多く訪れているようで、カウンターの上にはノートが置かれています。
そこにファンからのメッセージが残されていました。

駅構内の掲示板
駅構内の掲示板
駅のノート
駅のノート

僕もノートに「横浜から来ました」と書きました。
多分、もうここに訪れることはないと思いますが…。
(乗降者数の減少により、2017年にこの駅は廃止になったそうです)

そのうち、電車は太平洋に面した海沿いに出ました。
左は崖、右は海がどこまでも続いています。

チョコレート色の海は波が高く、荒涼とした景色が広がっています。
まさに地の果てを走っている感じですね。

電車は海沿いを走る
電車は海沿いを走る

僕は電車の左側に座っていましたが、ときどき右側に移動して海の写真を撮りました。
この非日常的な風景は好きです。

線路はどこまでも続く
線路はどこまでも続く

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午後4時10分に、電車は釧路駅に到着しました。
地下道を通って外に出ます。

釧路駅の地下道
釧路駅の地下道

釧路は思ったよりも大きな街で、少し驚きです。

釧路駅
釧路駅

まず、僕は駅構内の観光案内所に立ち寄りました。

「明日、釧路湿原に行きたいんですが…」と、僕は相談しました。
「それなら、網走(あばしり)方面行きの電車で行く必要があります。観光列車のノロッコ号がお勧めです。展望台に行って、戻る時間は十分にありますよ」
「こっちのほうは?」と、僕は指差しました。
「塘路湖(とうろこ)に行くなら、このサルボ展望台までは行けますよ。かなり歩きますけどね。
 その先のサルルン展望台までは行けません」

案内所の人は、僕に釧路発・網走行きの列車の時刻表を渡してくれました。
最も早いのが6時2分発で、その次が9時3分発。
ノロッコ号が出るのはお昼近くになってからです。

さすがに6時2分発は早すぎると思ったのですが、なるべく朝早くから描きたいとも思っていました。
うーん、どうしようかなぁ。

とりあえずもう少し考えることにして、今日泊まる予定の「民宿 銀鱗荘(ぎんりんそう)」に向かいました。
ここはライダーハウスも兼ねており、一泊1100円で泊まることができます。
地図上ではさほど距離を感じませんでしたが、歩くと遠く感じました。
 
30分ほどで宿に到着しました。
外から見ると、かなり年季の入った建物です。

「銀鱗荘」(別の日に撮った写真)
「銀鱗荘」(別の日に撮った写真)

玄関を入ると、おばちゃんが出迎えてくれました。
彼女はとても世話焼きな人です。

宿泊の手続きをし、宿の説明を受けてから二階へと上がります。
三人ほどが泊まれる広さの畳の部屋に案内されました。
外観からは想像もつかないほど、中は綺麗に片付いています。

一休みしてから、また駅前へと向かいます。
「きた乃家」でサンマ定食を食べました。

きた乃家
きた乃家
サンマ定食
サンマ定食

店を出て銀鱗荘に戻る前に、釧路川の河口付近(釧路港)をぶらぶらしました。

釧路港の船
釧路港の船

ここには「フィッシャーマンズワーフMOO」と呼ばれる施設があります。
「MOO」という商業施設と「EGG」という植物園とに分かれています。

植物園「EGG」
植物園「EGG」

この日は炉端焼きの屋台が出ていました。
おいしそうだなぁ…と思ったのですが、すでにお腹は一杯。残念!

炉端焼きの屋台
炉端焼きの屋台

釧路川に架かる幣舞橋(ぬさまいばし)には、四季をテーマにした四体の女性のブロンズ像が置かれています。

幣舞橋のブロンズ像
幣舞橋のブロンズ像

特にここから見る夕日は美しく、「世界三大夕日」の一つに数えられているのだとか。
(あとの二つはどこだろう、とも思いますが…)

宿に戻ると、ご主人が食堂で宿泊客と一緒に食事をとったり、お酒を飲んだりしていました。
ここでは食事も提供してくれるそうですが、最終日でいいかな、と思いました。

やっぱり、明日は6時2分発の電車に乗ろう。
僕はそう決めると、早く寝ることにしました。

 

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