朝起きると雨が降っていました。
仕方なく、僕は許可をもらってガレージの屋根の軒下で描くことにしました。
雨の絵は、あまり描いたことがありません。
景色が全体的に暗くなってしまうので、晴れた日よりも難しく、あまり楽しくもないのです。
軒下からは、農場の敷地が見えました。
地面は砂利で覆われており、その向こうには木が植えられています。
右手には三つの小屋が並んでいます。
奥から女性客用の小屋、空き小屋、木村さんが使っている小屋の順です。
左手にはビニールハウスがありました。
でも、ここで何かを栽培しているわけではなく、作業小屋になっているようです。
中にはトラクターが止められています。
描いていると、あっという間に時間が経ってしまいます。
午後三時頃に、木村さんが声をかけてくれました。
「サクランボを買ってきたんだ。良かったら、一緒に食べる?」
僕はお言葉に甘えることにしました。
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絵は午後四時頃に完成しました。
雨に濡れた感じを出すのが難しかったです。
真鍋さんの提案で、夕食は餅入りのカレーうどんに決まりました。
僕と真鍋さんはセイコーマートへ買い出しに出かけました。
宿に戻り、調理を始めます。
大きな鍋に、三人分(一人当たり1.5人分)のうどんを入れます。
さらに四つの餅とカット野菜を入れ、最後に粉末カレーを入れて完成です。
かなり量が多く、僕たちは必死で食べました。
「仕事を引退される前は、どんな仕事をされていたのですか?」
僕は食べながら、真鍋さんに尋ねました。
「私はトンネルを掘る機械の設計をしていたんですよ。
馬鹿でかい装置で、先端にカッターが付いていて、ガリガリ削っていくの」
僕も機械設計の仕事をしていた時期があったので、彼と重なる部分がありました。
満腹で苦しいお腹を抱えて、後片付けをします。
今日も宿泊者は、僕と真鍋さんの二人だけでした。
明日は晴れるといいなぁ。